【教育実験レポート】「空気」は本当に学習習慣を変えるのか【第15週】

10月25日(日)から10月31日(土)まで。

自習室の入退室時間をすべて記録する「教育実験」も、第15週になった。

今週の自習室の総滞在時間は、

79時間10分。

先週、第14週は95時間06分だったので、

15時間56分減。約16.8%の減少となった。

数字だけを見れば、かなり減っている。

しかし、15週間記録を続けてきて、私は少し違うところを見るようになってきた。

今週、特に気になったのは中学2年生たちである。

長時間勉強した日があった、ということではない。

「塾に来て、2時間前後勉強する」という行動そのものが、かなり普通になってきた。

ここに、自習室の「空気」の変化が表れているのではないかと思っている。

10月25日(日) 合計4時間32分

高2 オ 13:35〜16:00 2時間25分

中2 C 12:53〜15:00 2時間07分

この日は2人。

人数は少なかったが、2人とも2時間を超えた。

日曜日だから長時間勉強する、というより、

来たら2時間程度は勉強する。

そういう使い方になってきている。

10月26日(月) 合計8時間52分

高2 エ 17:13〜20:00 2時間47分

高2 サ 17:45〜20:00 2時間15分

中2 A 17:03〜19:10 2時間07分

高3 イ 17:17〜19:00 1時間43分

Aは、この日も2時間07分。

Aについては、もう「今日は長く勉強した」という感じではない。

2時間前後が通常運転になりつつある。

これはかなり大きい。

10月27日(火) 合計11時間33分

高1 ク 17:40〜19:37 1時間57分

中2 B 17:40〜19:37 1時間57分

高3 イ 17:45〜19:15 1時間30分

中2 A 17:51〜19:18 1時間27分

高2 エ 18:12〜19:50 1時間38分

高2 ケ 18:39〜20:00 1時間21分

高2 オ 18:47〜20:00 1時間13分

高2 サ 19:30〜20:00 30分

8人が利用した。

一人ひとりの時間はそれほど長くない。

それでも、学校が終わったあとにこれだけの生徒が集まっている。

自習室の価値は、必ずしも「毎日3時間、4時間勉強させること」だけではない。

学校帰りに塾へ行く。

まず、この行動を当たり前にできるかどうか。

学習習慣を考えるときには、ここがかなり重要だと思っている。

10月28日(水) 合計18時間25分

高2 ケ 16:21〜19:30 3時間09分

中2 C 17:20〜20:00 2時間40分

中2 A 17:15〜19:11 1時間56分

中2 G 17:15〜18:57 1時間42分

高2 オ 18:18〜20:00 1時間42分

高3 イ 16:53〜18:30 1時間37分

高1 ク 17:44〜19:11 1時間27分

中2 B 17:44〜19:11 1時間27分

高2 キ 18:35〜20:00 1時間25分

高2 エ 18:40〜20:00 1時間20分

今週最多の10人。

総滞在時間も18時間25分で、今週最多だった。

こういう日は、自習室の「空気」が非常に分かりやすい。

誰かが勉強している横で、別の生徒も勉強している。

少し休憩して戻ってくると、周りはまだ勉強している。

自分だけが特別に頑張っているわけではない。

周りも普通にやっている。

私は、この状態を作ることに意味があると思っている。

10月29日(木) 合計14時間10分

高1 コ 17:00〜20:00 3時間00分

中2 C 17:30〜20:00 2時間30分

中2 B 17:40〜19:37 1時間57分

高1 ク 17:40〜19:37 1時間57分

高2 シ 18:11〜20:00 1時間49分

中2 G 17:22〜18:55 1時間33分

中2 A 17:50〜19:14 1時間24分

コが3時間。

Cが2時間30分。

Bとクが1時間57分。

ここでも、中学生・高校生が混ざって勉強している。

ワカスクでは、中学生だけの自習室、高校生だけの自習室という分け方をしていない。

だから中学生から見れば、

高校生が勉強している姿が日常になる。

これは、教科書では教えられない。

「高校生になったら勉強しなければならない」と説明するより、高校生が実際に勉強している空間にいるほうが、伝わるものはあると思う。

10月30日(金) 合計10時間06分

中2 C 17:45〜20:00 2時間15分

高2 エ 17:58〜20:00 2時間02分

中2 A 17:58〜19:32 1時間34分

中2 B 17:45〜19:10 1時間25分

高1 ク 17:45〜19:10 1時間25分

高2 オ 18:35〜20:00 1時間25分

この日もCは2時間15分。

今週のCは、

日曜 2時間07分

水曜 2時間40分

木曜 2時間30分

金曜 2時間15分

と続いた。

1回だけ4時間、5時間勉強するより、私はこういう記録のほうに注目している。

学習習慣は、一日の最大勉強時間ではなく、

何日繰り返せるか。

こちらのほうが重要だからだ。

10月31日(土) 合計11時間32分

高1 コ 11:10〜15:05 3時間55分

中2 C 11:00〜14:32 3時間32分

中2 A 13:15〜15:20 2時間05分

中2 B 10:00〜12:00 2時間00分

4人だけだった。

しかし、4人全員が2時間以上。

コは3時間55分。

Cは3時間32分。

そしてAとBも2時間を超えた。

人数だけを見れば静かな土曜日だったが、内容を見ると面白い。

「来た4人全員が2時間以上」なのである。

今週は79時間10分。では、悪い1週間だったのか

第14週 95時間06分

第15週 79時間10分

15時間56分減。

約16.8%減った。

数字を記録している以上、この減少はそのまま受け止めなければならない。

ただし、

「総時間が減った=勉強習慣が悪くなった」

と単純に判断することもできない。

なぜなら、総滞在時間は人数にも、一人ひとりの滞在時間にも左右されるからだ。

そこで個人の動きを見る。

すると、違うものが見えてくる。

Aは「2時間」が特別ではなくなってきた

Aは今週、

月曜 2時間07分

火曜 1時間27分

水曜 1時間56分

木曜 1時間24分

金曜 1時間34分

土曜 2時間05分

6日間来ている。

毎日3時間ではない。

1時間半程度の日もある。

しかし、それでいい。

むしろ私が見ているのは、

6日間、塾に来たこと。

そして、これまでの記録を見ても、Aには2時間前後の滞在がかなり定着してきている。

以前なら、

「今日は2時間も勉強した」

だったものが、

少しずつ、

「今日は2時間くらい勉強した」

に変わっていく。

この「も」と「くらい」の差は大きい。

Cは今週だけで13時間04分

Cは、

日曜 2時間07分

水曜 2時間40分

木曜 2時間30分

金曜 2時間15分

土曜 3時間32分

合計すると、

13時間04分。

5日間来ている。

しかも、最短でも2時間07分。

Cについては、「塾へ行くかどうか」から、その先の段階に入りつつあるように見える。

来ることを前提として、その中でどれだけ進めるか。

習慣ができてくると、次に考えるべきことはここになる。

「長時間勉強できる子」を作りたいわけではない

この記録を続けていると、どうしても滞在時間に目が行く。

しかし、目的は、

「5時間座っていられる生徒を作ること」

ではない。

5時間いても、内容が悪ければ意味は薄い。

逆に2時間でも、やるべきことを正しく選び、集中して進めれば大きな成果になる。

だから私は、勉強時間だけでなく、

何をするのか。

ここをかなり重視している。

私の仕事の一つは、以前から書いているように、

「勉強の仕分け」

だと思っている。

今やるもの。

後回しにするもの。

何度も繰り返すもの。

一度理解すれば十分なもの。

テストまでの残り時間を考えて、最も点数につながりやすいところを選ぶ。

自習できるようになったからといって、何でも本人任せにすればいいわけではない。

自分で勉強することと、何を勉強するかを判断することは別の能力である。

15週間追ってきて見えてきたもの

この実験を始めたのは、

「勉強する空気の中にいることで、本当に学習習慣は変わるのか」

を確かめたかったからだ。

まだ15週間。

これだけで結論を出すつもりはない。

それでも、中学生の記録には少しずつ変化が出ている。

特に最近は、

「2時間勉強した生徒がいた」

こと自体には、あまり驚かなくなった。

何人もいるからだ。

これは、生徒たちにとっても同じなのかもしれない。

周囲が1時間で帰る環境なら、2時間は長く感じる。

周囲が2時間、3時間勉強している環境なら、2時間はそれほど長く感じない。

もし自習室の「空気」に意味があるとすれば、

直接勉強時間を増やすことよりも、

「普通」の基準を少しずつ変えること

なのではないか。

私は今のところ、そう考えている。

もちろん、この数字はあくまで滞在時間である。

休憩時間も含まれているため、純粋な学習時間と同じではない。

また、成績の変化がすべて自習室の環境によるものだと証明できるわけでもない。

だからこそ、来週も記録する。

一日だけを見ない。

一人だけを見ない。

良かった週だけを取り上げない。

総時間が増えた週も、減った週も、そのまま残す。

印象ではなく、数字で追う。

これが、この教育実験の目的である。

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