「高校の実力」はどこで決まるのか――第一・第二・マリストを追う【第21話】11月進研模試――国公立大学を目指す高校2年生にとっての分岐点

10月31日から、各高校で11月の進研模試が始まりました。

今回の模試は、高校2年生にとって重要な意味を持っています。

これまでの国語・数学・英語の3教科に加えて、理科や地歴・公民など、主要3教科以外の科目についても学力を確認する機会になるからです。

国公立大学を目指す生徒にとって、これは大きな変化です。

大学入試では、英語と数学ができるだけでは十分ではありません。

多くの国公立大学では、共通テストで幅広い科目の得点が求められます。

そして、大学入試まで残り約1年2か月。

今回の模試は、国公立大学を目指すために、何が足りないのかを具体的に確認する機会になります。

1. これまでの3教科比較では分からなかったこと

前回までの記事では、第二高校とマリスト高校の進研模試の結果を比較しました。

2026年7月の3教科平均点は、次のとおりでした。

学校3教科平均点
第二高校117.0点
全国平均98.0点
マリスト高校88.6点

第二高校とマリスト高校の差は28.4点でした。

さらに、同じ学年の2026年1月には25.7点だった差が、7月には28.4点になっていました。

半年間で2.7点広がったことになります。

しかし、ここまでの比較は国語・数学・英語の3教科に限られていました。

国公立大学の受験を考えると、これだけでは十分ではありません。

例えば、英語と数学で全国平均を上回っていても、理科や地歴・公民が大きく遅れている生徒もいるでしょう。

反対に、主要3教科の得点は高くなくても、理科や社会を得意とする生徒がいるかもしれません。

今回から、これまで見えていなかった科目の学力も確認できるようになります。

そのため、学校間の比較も、より大学入試の実態に近づきます。

ただし、学校ごとの科目選択や受験者構成が異なる場合には、単純な合計点だけで優劣を判断することはできません。

2. 国公立大学の入試は、主要3教科だけでは終わらない

国公立大学の一般選抜では、多くの場合、共通テストと個別学力検査の両方が課されます。

大学や学部によって必要な科目や配点は異なりますが、共通テストでは幅広い科目の学習が必要になります。

例えば、数学と英語が得意な理系の生徒でも、国語や地歴・公民、情報などで十分な得点が取れなければ、総合点は伸びません。

理科についても、必要な科目を仕上げなければなりません。

ここに、国公立大学受験の難しさがあります。

一つの科目を得意にするだけでは足りないのです。

しかも、大学入試本番では、すべての科目を一定の水準まで仕上げておく必要があります。

高校2年生の11月に、主要3教科以外の科目がほとんどできていないとすれば、残された時間で何を優先するかを真剣に考える必要があります。

3. 高校3年生になってからでは、時間が足りない可能性がある

高校2年生の11月。

大学入試まで、まだ1年以上あります。

この時期であれば、これから頑張れば何とかなると考える生徒もいるでしょう。

しかし、国公立大学を目指す場合、勉強しなければならない科目は多くあります。

英語、数学、国語、理科、地歴・公民、情報。

もちろん、大学によって必要な科目は異なります。

それでも、複数の科目を並行して仕上げるには、相当な学習時間が必要です。

高校3年生になれば、個別学力検査の対策も本格化します。

数学Ⅲを必要とする理系の生徒もいます。

理科の応用問題にも取り組まなければなりません。

その一方で、共通テストだけで使用する科目も勉強する必要があります。

高校3年生の夏になってから、これらの科目を一斉に始めるとどうなるでしょうか。

限られた時間の中で、多くの科目を仕上げなければなりません。

特に、基礎知識が十分に身についていない科目では、短期間で得点を伸ばすことが難しい場合があります。

高校3年生の夏休みは、受験勉強を始める時期ではなく、それまでの学習を得点に結びつける時期にしたいものです。

4. 共通テスト対策を後回しにしていないか

ここで、私は一つの仮説を持っています。

国公立大学を目指す生徒が、十分な得点を取れない原因の一つに、共通テスト対策の開始時期が遅いことがあるのではないでしょうか。

高校3年生の夏休み頃まで、学校の授業や演習が個別学力検査を意識した内容に重点を置いているケースがあります。

数学や英語、理科の応用力を伸ばすことは、もちろん重要です。

難関大学を目指す生徒にとって、個別学力検査の対策は欠かせません。

しかし、共通テストで必要な科目の学習を後回しにしている場合は、別の問題が生じます。

例えば、国語が苦手な理系の生徒。

地歴・公民をほとんど勉強していない生徒。

情報の対策に着手していない生徒。

こうした科目を、高校3年生の秋から一気に仕上げようとすると、他の科目に使える時間が減ってしまいます。

共通テスト対策に時間を使えば、個別学力検査の対策時間が減る。

個別学力検査を優先すれば、共通テストの得点が伸びない。

このような状況に陥る可能性があります。

もちろん、すべての高校が同じ指導をしているわけではありません。

また、共通テスト対策の開始時期だけで、大学の合否が決まるわけでもありません。

それでも、共通テスト対策を後回しにすることが、国公立大学の合格を難しくしているのではないか。

私は、この問題を検証する必要があると考えています。

5. 高校3年生の夏休みを、どう使うのか

ワカスクでは、共通テスト対策を高校3年生の直前期だけに集中させない方針を取っています。

高校2年生の段階から、大学入試に必要な科目を確認し、学習の順番を考えます。

そして、高校3年生の夏休みには、共通テストで目標点に近づくことを重視しています。

なぜ夏休みなのでしょうか。

それは、まとまった学習時間を確保しやすいからです。

共通テストで必要な知識を整理し、問題演習を繰り返し、得点できる状態に近づけていく。

夏休みの段階で目標点に近づいていれば、秋以降の学習計画にも余裕が生まれます。

個別学力検査に必要な科目に、まとまった時間を使うこともできます。

もちろん、すべての生徒が夏休みまでに共通テストの目標点に到達できるわけではありません。

しかし、秋から初めて対策を始める場合と、夏休みまでに一通りの対策を進めている場合では、その後の学習の組み立て方が大きく変わります。

私は、共通テスト対策と個別学力検査対策を、どの時期に、どの程度行うかが重要だと考えています。

6. 今回の11月進研模試で、何を確認するべきか

今回の模試で注目したいのは、主要3教科の点数だけではありません。

むしろ、これまで十分に確認できなかった科目の得点です。

理科は、どの程度理解できているのか。

地歴・公民は、どの程度知識が身についているのか。

国語は、全国平均と比べてどの位置にいるのか。

数学と英語だけでなく、大学入試に必要な科目全体を見なければなりません。

例えば、主要3教科の成績がよくても、それ以外の科目が全国平均を大きく下回っていれば、国公立大学受験に向けて課題が残ります。

反対に、主要3教科以外の科目も一定の水準に達していれば、今後の受験勉強を組み立てやすくなるでしょう。

ただし、今回の模試の出題範囲が共通テストの全範囲を網羅しているわけではありません。

今回の得点が、そのまま共通テスト本番の得点になるわけでもありません。

重要なのは、現時点でどの科目が進んでいて、どの科目が遅れているのかを確認することです。

7. 第二高校、第一高校、マリスト高校を比較する意味

今回の11月進研模試では、第二高校、第一高校、マリスト高校の結果にも注目しています。

これまでの比較では、第二高校とマリスト高校の3教科平均に差がありました。

しかし、大学入試では主要3教科だけが必要なわけではありません。

今回、主要3教科以外の科目の結果も分かれば、各校の学力の特徴をより具体的に確認できる可能性があります。

例えば、主要3教科では平均点が高くても、理科や地歴・公民では全国平均に届いていない学校があるかもしれません。

逆に、主要3教科以外の科目で、全国平均を大きく上回る学校があるかもしれません。

こうした違いは、大学合格実績だけを見ていても分かりません。

ただし、学校平均の比較では、理系と文系の割合、科目選択、受験者数なども考慮する必要があります。

私は、単にどの学校の平均点が高いかを知りたいわけではありません。

国公立大学を目指す生徒が、高校2年生の11月にどの程度の学力を身につけているのか。

そして、そこから大学入試までの約1年間で、どのように学力が変化していくのか。

それを確認したいのです。

8. 国公立大学を目指すなら、今から本気で取り組む必要がある

高校2年生の11月。

大学入試まで、残り約1年2か月です。

時間がないわけではありません。

しかし、何となく勉強していても、国公立大学に必要な科目が自然に仕上がるわけではありません。

今回の模試で、主要3教科以外の科目が思うように得点できなかった生徒もいるでしょう。

その場合、単に点数が悪かったと考えるだけでは不十分です。

大学入試までに、その科目をどの水準まで引き上げる必要があるのか。

そのために、いつから勉強を始めるのか。

他の科目との時間配分をどうするのか。

具体的に考える必要があります。

特に国公立大学を目指す生徒は、共通テストと個別学力検査の両方を見据えた計画が必要です。

高校3年生になってから考えるのではなく、今から考えておくべきでしょう。

今回の11月進研模試は、そのための重要な資料になります。

今回の模試で何点取ったかだけではなく、大学入試までに何点伸ばさなければならないのか。

そこまで考えることが、国公立大学合格への第一歩になると思います。

そして、今回の結果が出そろったら、第二高校、第一高校、マリスト高校の学力を改めて比較したいと考えています。

主要3教科だけでなく、大学入試に必要な科目全体を見ながら、学校の実力について考えていきます。

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