「高校の実力」はどこで決まるのか――第一・第二・マリストを追う       【第1章】高校偏差値だけでは、3年後は分からない。

「入口」から高校の実力を考える。

高校を選ぶとき、多くの人が最初に見る数字があります。

高校偏差値です。

熊本市内の進学校を比較すると、2026年度の同一サイトの偏差値では、おおむね次の順になります。

第二高校 理数科68・普通科67

第一高校 英語コース64・普通科63

熊本マリスト学園 62

入口だけを見れば、第二高校が一歩抜けています。

第一とマリストにはそれほど大きな差はありません。

ここまでは、一般に持たれている学校のイメージとも、それほどズレていないと思います。

しかし、私が今回調べたいのは、

「どの高校に入るのが難しいか」ではありません。

高校に入った生徒が、その後3年間でどう変わっていくのか。

そこです。

高校入試の点数で、その後は決まるのか

現在、第二高校の高校2年生を複数見ています。

その中に、非常に興味深い3人がいます。

高校入試の得点は、

A 192点

B 174点

C 170点

でした。

普通に考えれば、入試で最も高かったAが、その後も最も上にいるように思えます。

ところが、そう単純ではありません。

高2・7月の進研模試では、

B 全国偏差値62.4・校内50位

A 全国偏差値58.5・校内108位

C 全国偏差値51.7・校内245位

となりました。

高校入試からわずか1年数か月。

すでに順番が変わっています。

高校入試は、あくまで高校に入る時点での学力です。

その点数が、そのまま大学受験まで続くわけではありません。

私が最も驚いた「15位」

特に印象に残っているのがBです。

高校入試は174点。

第二高校の中で、飛び抜けて高い得点で入った生徒ではありません。

ところが、高1最初の7月進研模試。

結果を見て驚きました。

学年15位。

第二高校で15位です。

その後は、

高1・7月 15位

高1・11月 95位

高1・1月 150位

高2・7月 50位

と動きます。

一直線に伸びたわけでもありません。

一度大きく順位を落とし、そこから再び50位まで戻ってきました。

この推移だけを見ても、高校入試の点数だけで高校3年間を予測することが、いかに難しいかが分かります。

そして、もう一つ重要なことがあります。

第二高校は、やはり強い

第二高校の高2・7月進研模試。

国数英300点満点で、

全国平均 98.0点

熊本県平均 98.2点

第二高校平均 117.0点

でした。

約400人いる学校全体の平均が、全国平均を約19点上回っています。

上位だけが突出しているわけでもありません。

実際の生徒を見ると、

50位で全国偏差値62.4。

108位で58.5。

245位でも51.7。

かなり下の順位まで全国平均付近、あるいはそれ以上の生徒がいることになります。

少なくとも現在の高校2年生を見る限り、

第二高校には相当な学力層の厚さがあります。

だからこそ、私は別の疑問を持つようになりました。

入口では第二。しかし、出口では?

2026年春の熊本大学合格者数を見ると、

第一高校 59人

第二高校 49人

でした。

入口の偏差値では第二高校の方が明確に高い。

現在の高2を見ても、第二には全国模試で高い位置にいる生徒がかなりいます。

それなのに、直近の熊大合格者数では第一が第二を上回っています。

もちろん、熊大の人数だけで高校の進学実績すべてを評価することはできません。

九大をはじめとした他大学への進学もあります。

年度による生徒層の違いもあります。

実際、第二では現高3や直近卒業学年と、現在の高2では学力層が違う可能性も見えてきました。

だから、今の段階で結論を出すつもりはありません。

むしろ、ここからが今回の連載のスタートです。

高校の「実力」とは何だろう

入学時の偏差値が高い学校なのか。

難しい定期テストを出す学校なのか。

課題をたくさん出す学校なのか。

それとも、

入学してきた生徒を、3年間でどこまで伸ばせる学校なのか。

私は最後の数字を見てみたいと思っています。

第一高校。

第二高校。

熊本マリスト学園。

この3校について、

入口の学力

高校在学中の全国模試

定期考査

大学進学

を追っていきます。

そして、この連載には一つの「答え合わせ」の日があります。

11月の進研模試です。

現在の高校2年生が、7月からさらに伸びるのか。

第二高校の厚い学力層は維持されるのか。

第一高校はどの位置にいるのか。

マリストの現在の教育は、全国模試の数字にどう表れるのか。

まだ答えは出しません。

数字を一つずつ集めていきます。

次回

【第2章】熊大59人の第一、49人の第二――「入口」と「出口」が逆転する理由

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