高校生になると、なぜ勉強しなくなるのか
中学生の頃は、毎日のように塾に来ていた。
学校が終わると、すぐにワカスクに来る。
何時間も机に向かい、難しい問題にも挑戦する。
高校受験が近づくと、さらに勉強時間が増える。
そして、志望高校に合格する。
ところが、高校に入ると様子が変わります。
週に何度かしか塾に来なくなる。
学校の宿題はやっている。
しかし、それ以外の勉強はほとんどしない。
中学時代の姿を知っている私には、不思議で仕方ありません。
あれほど勉強していた生徒たちは、なぜ高校生になると勉強しなくなるのでしょうか。
最近、この問題を考える機会が増えています。
1. 高校に入ると、勉強時間が減る
中学時代には、学校が終わるとワカスクに来ていた生徒がいます。
高校に入ると、週3回ほどの通塾になる。
本人は、週3回勉強しているから十分だと思っているようです。
しかし、高校の勉強は中学とは違います。
数学は数学Ⅰ・Aから数学Ⅱ・B・C、さらに数学Ⅲへと進みます。
英語は単語数が増え、文法も複雑になり、長文も難しくなります。
理科も物理、化学、生物と専門的な内容が増えます。
中学時代より勉強量が必要になるはずなのに、実際には勉強時間が減っている。
これでは、学習内容が十分に身につかなくなる可能性があります。
2. 学校の宿題をすることが、勉強になっている
高校生に、家では何を勉強しているのかと聞くことがあります。
返ってくる答えは、学校の宿題です。
もちろん、宿題も勉強です。
しかし、宿題を終わらせることと、内容を理解して自分で解けるようになることは違います。
分からない問題を解説を見ながら埋める。
提出期限までにワークを終わらせる。
それだけで勉強したつもりになってしまうことがあります。
大学受験では、初めて見る問題を自分の力で解かなければなりません。
そのためには、解説を理解した後、自力で解き直すことが必要です。
英単語も、一度見ただけでは覚えられません。
数学も、一度解説を読んだだけでは解けるようになりません。
宿題を終わらせる勉強と、入試で得点するための勉強は、必ずしも同じではないのです。
3. 定期テスト期間なのに、塾に来ない
私が特に不思議に思うのは、定期テスト期間中の高校生の行動です。
試験が午前中で終わる日があります。
午後1時頃には学校が終わる。
ワカスクは夜8時まで開いています。
時間は十分にあります。
ところが、塾に来ない生徒がいます。
中学生の頃なら、試験が終わるとすぐに塾に来て、次の日の科目を勉強していたはずです。
高校生になると、その習慣がなくなってしまう。
もちろん、家で勉強している生徒もいるでしょう。
休息が必要な日もあります。
しかし、実際に学習が進んでいないのであれば、勉強時間の使い方を見直す必要があります。
4. 高校の定期テストが難しすぎる問題
前回までの記事では、マリスト高校と第二高校の定期テストを取り上げました。
マリスト高校1年生では、数学の平均点が約15点だった試験がありました。
今回の中間考査でも、数学Ⅰ・数学Aはともに平均30点。
第二高校2年生理数科でも、数学特講37.4点、化学35.6点という結果が出ています。
こうした数字を見ると、別の問題も考えなければなりません。
生徒が勉強していないから点数が低いのか。
それとも、試験が難しすぎるのか。
授業内容が十分に理解できていないのか。
原因は、実際の問題や学習状況を確認しなければ分かりません。
しかし、低い平均点が繰り返されると、生徒が自信を失う可能性があります。
中学時代には80点、90点を取っていた生徒が、高校では20点、30点になる。
努力しても点数が取れないと感じれば、勉強への意欲が下がることも考えられます。
私は、学校の試験が生徒の学習意欲に与える影響も、もっと考える必要があると思っています。
5. 勉強する力があるのに、勉強できなくなる生徒もいる
ただし、ここで大切なことがあります。
高校生が勉強しなくなる理由を、すべて本人の意欲不足や学校の試験のせいにすることはできません。
ワカスクには、中学時代から長く指導してきた生徒がいます。
高校の内容を早くから勉強し、大学受験につながる学力を身につけた生徒もいます。
それでも、高校に入ってから来塾回数が減り、勉強が進まなくなった生徒がいます。
以前は楽しそうに話していたのに、会話が少なくなる。
表情にも元気がなくなる。
こうした変化を見ると、単純に「もっと勉強しなさい」とは言えません。
学校生活や人間関係に悩んでいるのかもしれません。
疲れがたまっているのかもしれません。
心身の調子が悪い可能性もあります。
実際の原因は、本人の話を聞き、必要に応じて保護者や専門家とも相談しなければ分かりません。
勉強しない生徒と、勉強したくても勉強に向かえない生徒を、同じように扱ってはいけないと思います。
6. 高校入学がゴールになっていないか
もう一つ考えていることがあります。
中学生にとって、高校受験は分かりやすい目標です。
志望高校に合格する。
そのために、毎日勉強する。
目標が明確なので、努力する理由も分かりやすい。
ところが、高校に合格すると、その目標がなくなります。
次の大学受験までは、まだ時間があるように感じる。
何のために勉強するのか、分からなくなる生徒もいるでしょう。
高校入学後に新しい目標を見つけられなければ、学習習慣が弱くなる可能性があります。
私は、中学時代から大学受験を見据えて指導しています。
高校受験だけを目標にすると、高校に入ってから勉強が止まる危険があると考えているからです。
しかし、大学受験という目標があっても、勉強を継続できなくなる生徒はいます。
目標を決めるだけでは十分ではないのです。
7. 高校生には、学力以外の支えも必要になる
中学生の頃は、毎日の学習内容を細かく確認できます。
学校の進度も比較的そろっています。
しかし、高校生になると、進路が分かれます。
理系か文系か。
国公立大学か私立大学か。
一般選抜か学校推薦型選抜か。
必要な科目も違います。
さらに、高校生活では、人間関係や進路への不安など、勉強以外の問題も増えていきます。
だからこそ、学習計画を立てるだけでなく、本人が無理なく勉強を続けられる状態にあるかを確認する必要があります。
以前より口数が減っていないか。
疲れた様子が続いていないか。
学校生活で困っていることはないか。
そうした変化に気づくことも、長く生徒を指導する塾の役割の一つだと思います。
ただし、塾だけですべてを解決できるわけではありません。
必要な場合には、家庭や学校、医療機関などと連携することも大切です。
8. 中学から高校まで指導する難しさ
私は、中学時代から高校まで、長く生徒を指導しています。
中学時代に努力していた姿を知っています。
難しい問題が解けるようになったときの喜びも知っています。
だからこそ、高校に入って勉強しなくなる姿を見ると、考えさせられます。
もっと早く何かできなかったのか。
勉強の進め方を変えるべきだったのか。
高校生活で何が起きているのか。
答えは簡単には出ません。
しかし、一つだけはっきりしていることがあります。
高校生の学力を伸ばすには、勉強を教えるだけでは足りない場合があるということです。
生徒が勉強を続けられる環境をつくる。
目標を見失わないようにする。
学習の成果を確認する。
そして、元気がないときには、その変化を見逃さない。
高校生の指導には、中学生とは違う難しさがあります。
ワカスクでも、まだ考え続けなければならない問題です。
高校受験で努力した生徒が、高校に入ってからも学び続けられるようにするには、何が必要なのか。
私は、これからも一人ひとりの生徒を見ながら、その答えを探していきたいと思います。

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