全国模試と定期テストから見えてきた、もう一つの疑問
これまで、第二高校、第一高校、マリスト高校について、さまざまな数字を見てきました。
高校入試の偏差値。
熊本大学の合格者数。
進研模試の学校平均。
全統模試の結果。
そして、定期テストの平均点。
そのなかで、第二高校について、一つ気になることがあります。
全国模試では全国平均を上回るのに、学校の定期テストでは平均点が極端に低い。
この二つの数字を、どう考えればよいのでしょうか。
今回は、これまで集めた数字を別の角度から分析してみます。
1. 第二高校の進研模試は、全国平均を19点上回っていた
2026年7月の進研模試。
第二高校2年生の国語・数学・英語3科目の平均点は、117点でした。
全国平均は98点。
差は19点です。
この結果だけを見れば、第二高校は全国平均より学力の高い生徒が集まる高校です。
しかし、ここで一つ考えたいことがあります。
この117点という数字は、第二高校の教育によって生まれたものなのでしょうか。
それとも、もともと学力の高い生徒が入学してきた結果なのでしょうか。
この二つは、分けて考える必要があります。
第二高校は、熊本県内でも入学時の学力が高い生徒が集まる高校です。
入学時から全国平均を上回る学力を持つ生徒が多ければ、高校2年生の全国模試で平均点が高くなることは不思議ではありません。
つまり、全国平均を19点上回ったという事実だけでは、高校入学後に学力が伸びたことまでは証明できないのです。
2. では、定期テストの平均点はどうなのか
第二高校2年生の今回の中間考査では、次の平均点が出ています。
科目
学級平均
数学Ⅱ
43.4点
数学特講
37.4点
物理
41.2点
化学
35.6点
生物
53.3点
以前の数学の定期テストでは、平均24点という数字もありました。
全国模試では平均117点。
一方、学校の数学や理科では平均30点台、40点台。
なぜ、このような結果になるのでしょうか。
一つ考えられるのは、定期テストと全国模試では、測ろうとしている学力が違うことです。
全国模試は、広い範囲から出題されます。
基本問題から応用問題まで、全国の受験者を比較できるように作られています。
一方、学校の定期テストは、学校の先生が授業内容に合わせて作ります。
授業で扱った難問が多ければ、平均点は低くなります。
だから、全国模試で全国平均を上回る集団が、定期テストで平均30点台になること自体は、必ずしも矛盾ではありません。
しかし、それなら次の疑問が生まれます。
学校の定期テストは、大学受験に必要な学力をどこまで正確に測っているのでしょうか。
3. 難しい試験で上位に入ることは、大学受験で有利なのか
例えば、数学の定期テストで難しい問題を大量に出したとします。
平均点は30点。
上位の生徒でも60点程度。
これなら、数学の得意な生徒と苦手な生徒を区別できるかもしれません。
しかし、大学受験ではどうでしょうか。
志望大学によって、必要な問題の難易度は違います。
難関国公立大学の二次試験で高度な数学が必要な生徒もいます。
一方、標準問題を確実に解くことで合格を目指せる大学もあります。
学校の難問に対応するために多くの時間を使うことが、すべての生徒にとって最善とは限りません。
もちろん、難しい問題に挑戦することには意味があります。
ただし、その問題がどのような学力を測っているのかを考える必要があります。
定期テストで上位に入る力。
全国模試で得点する力。
志望大学の入試問題を解く力。
これらは重なる部分もありますが、完全に同じではありません。
4. 第一高校とマリスト高校にも同じ問いを向けた
ここで、第一高校とマリスト高校についても考えてみます。
マリスト高校1年生の今回の中間考査では、数学Ⅰと数学Aの平均点がともに30点でした。
以前の試験では、数学の平均点がさらに低いこともありました。
一方、第二高校でも数学の低平均が続いています。
つまり、定期テストの平均点が低いという現象は、第二高校だけに見られるものではありません。
しかし、ここで注意しなければなりません。
第二高校とマリスト高校の平均点が同じ30点だったとしても、問題の難易度が同じとは限りません。
また、受験している生徒の学力も異なります。
そのため、定期テストの平均点を横に並べて、どちらの学校の学力が高いと判断することはできません。
第一高校についても、同じ基準で比較するためには、全国模試の学校平均や定期テストの資料が必要です。
三校の教育力を比較するなら、三校に共通する物差しを使わなければならない。
これまでの分析を通して、私はその必要性を強く感じています。
5. 第二高校の全統模試が教えてくれたこと
以前、第二高校2年生の全統模試の結果を確認しました。
学校平均は230.2点。
全国平均は242.1点。
全国平均を11.9点下回っていました。
進研模試では全国平均を19点上回った第二高校が、全統模試では全国平均を下回ったのです。
この結果を見たとき、私は第二高校に対する評価を修正しました。
ただし、進研模試と全統模試では、受験する生徒の集団が違います。
全統模試は、大学受験を意識した生徒が多く受ける模試です。
したがって、全統模試で全国平均を下回ったからといって、第二高校の学力が全国平均以下だと単純には言えません。
むしろ、この二つの結果が示しているのは、比較する相手が変われば、学校の見え方も変わるということです。
全国の高校生全体と比較するのか。
大学進学を目指す受験生と比較するのか。
難関大学を目指す生徒と比較するのか。
同じ学校でも、比較対象によって評価は変わります。
6. 高校の教育力を測るには、入学時の数字が欠かせない
ここで、連載の最初の問題に戻ります。
第二高校、第一高校、マリスト高校。
この三校の実力は、どこで決まるのでしょうか。
大学合格者数でしょうか。
全国模試の平均点でしょうか。
定期テストの順位でしょうか。
私は、どれか一つでは判断できないと考えています。
例えば、入学時に全国偏差値60の生徒が集まる高校と、偏差値50の生徒が集まる高校があったとします。
3年後、前者の平均偏差値が60、後者が55だった場合、卒業時の学力は前者の方が高いでしょう。
しかし、入学後の変化を見ると、前者は横ばい、後者は5ポイント上昇しています。
この場合、どちらの学校が生徒を伸ばしたのでしょうか。
単純な数字だけでは、教育力のすべては分かりません。
それでも、入学時の学力を考慮することで、卒業時の合格実績だけでは見えなかった部分が見えてきます。
私は、この比較を第二高校、第一高校、マリスト高校で行いたいと思っています。
7. 11月の進研模試が、一つの検証になる
現在、ワカスクでは第二高校2年生の生徒たちが、11月の進研模試に向けて勉強しています。
学校の定期テストに合わせるより、大学受験に必要な数学や理科などを優先してきました。
その結果、定期テストでは低い点数も出ています。
では、全国模試ではどうなるのでしょうか。
ここが重要です。
定期テストで低得点だった生徒が、全国模試では成績を伸ばすのか。
それとも、定期テストと同じように苦戦するのか。
結果によって、これまでの学習方針を検証できます。
もちろん、模試一回で結論は出せません。
それでも、定期テストの点数だけでは見えない学力を確認する材料になります。
また、第二高校全体の学校平均が分かれば、7月の進研模試との比較もできます。
ただし、出題範囲や難易度が異なるため、単純な得点差ではなく、偏差値や全国平均との差なども確認する必要があります。
8. 学校の実力を、学校の順位だけで決めたくない
第二高校は、入学時の学力が高い。
第一高校は、2026年の熊本大学合格者数で第二高校を上回った。
マリスト高校は、学校内の学力差や定期テストの難易度について、さらに検証したい点がある。
ここまで調べてきても、私は三校の教育力について、まだ結論を出せません。
しかし、以前よりもはっきりしてきたことがあります。
学校の偏差値だけでは分からない。
大学合格者数だけでも分からない。
定期テストの平均点だけでも分からない。
全国模試の一回の結果だけでも分からない。
必要なのは、それらをつなげて考えることです。
そして、最も重要なのは、高校に入学した生徒が、3年間でどれだけ学力を伸ばしたかということです。
優秀な生徒を集める力と、入学した生徒を伸ばす力は、同じではありません。
この連載では、これからも第二高校、第一高校、マリスト高校の数字を追いながら、その違いを考えていきたいと思います。
11月の進研模試では、また新しい数字が出ます。
その結果が、これまでの見方を裏づけるのか。
それとも、もう一度考え直す必要があるのか。
数字が出たら、改めて検証します。

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