「高校の実力」はどこで決まるのか――第一・第二・マリストを追う【第3章】第二高校400人の本当の学力

【第3章】第二高校400人の本当の学力

――「50位」より下を見て、初めて分かったこと

前回まで、第一高校と第二高校の「入口」と「出口」を見てきました。

高校入試時点では、第二高校の方が明らかに高い。

ところが2026年の熊本大学合格者数は、

第一高校 59人

第二高校 49人

でした。

では、第二高校には、熊大を狙える学力を持つ生徒が50人程度しかいないのでしょうか。

現在の高校2年生のデータを見ると、私はそうは考えていません。

今回は、第二高校の「上位50人」ではなく、その下にいる生徒たちを見ます。

学校平均が、全国平均より19点高い

2026年7月の高2進研模試。

国語・数学・英語3科目の全国平均は、

98.0点。

熊本県平均は、

98.2点。

それに対して第二高校の平均は、

117.0点。

全国平均を約19点上回っています。

これだけでも第二高校高2が強いことは分かります。

ただ、学校平均だけでは中身が分かりません。

極端な話、上位層だけが非常に高く、下位層が低くても平均点は上がります。

そこで、実際の校内順位と全国偏差値を対応させてみます。

50位で全国偏差値62.4

現在追っている生徒の一人をBとします。

Bの7月進研模試は、

155点/300点

全国偏差値62.4

校内50位/399人

でした。

全国偏差値62.4なら、地方国公立大学を考える段階を越えて、難関大学も視野に入ってきます。

第二高校の約400人の中に、この水準以上の生徒が約50人いる。

ここまでは、第二高校の進学校としてのイメージとそれほどズレません。

ところが、面白いのはここからです。

108位でも全国偏差値58.5

別の生徒Aは、

137点/300点

全国偏差値58.5

校内108位

でした。

つまり、100位を少し超えたところでも全国偏差値60近くあります。

さらに数学だけを見ると、

全国偏差値63.2

校内53位

です。

Aは高校入試で192点を取って第二高校に入った生徒です。

数学については現在もかなり高い位置にいます。

では、さらに順位を下げてみます。

245位でも全国偏差値51.7

Cの7月進研模試は、

106点/300点

全国偏差値51.7

校内245位

でした。

約400人の学校で245位。

単純に順位だけを見れば、かなり下に見えます。

しかし全国に出すと、まだ偏差値50を超えています。

ここが非常に重要だと思っています。

第二高校では、

「校内で下位にいる」ことと、「全国でも学力が低い」ことが同じではない。

少なくとも今回確認できたデータでは、245位でも全国平均を上回っています。

これは1回だけの現象なのか

そこで過去の数字も確認しました。

高1の1月進研模試では、

全国平均 99.7点

熊本県平均 104.0点

第二高校平均 119.4点

でした。

全国平均との差は約20点。

今回の高2・7月が約19点です。

模試ごとに問題も受験者も変わるため単純比較はできませんが、

「第二高校の平均が全国平均をかなり上回っている」

という現象そのものは、今回だけではありません。

この時、Bは126点。

全国偏差値56.5で、

校内150位/約400人

でした。

150位でも全国偏差値56台です。

これを今回確認できた位置と並べると、

50位 全国62.4

108位 全国58.5

150位 全国56.5

245位 全国51.7

となります。

もちろん別時期の模試を混ぜていますから、これをそのまま一本の学力分布として扱うことはできません。

それでも、かなり重要な傾向は見えます。

第二高校は「上位50人だけが強い学校」ではない

ここまでのデータから、少なくとも一つ言えそうです。

現在の第二高校高2は、

上位層だけではなく、中間層にも全国平均以上の生徒がかなりいる。

だから、前回の疑問がさらに大きくなります。

2026年の熊大合格者は49人でした。

しかし現在の高2を見ると、

「熊大を考えられる学力の素材が50人しかいない学校」

には到底見えません。

もちろん、

進研模試で全国偏差値50を超えた=熊大合格

ではありません。

熊大入試では共通テストがあり、理系なら理科、文系なら地歴公民も必要です。

高2の国数英3科目だけで大学合格可能性を決めることはできません。

それでも、400人規模の学校で100位台、200位台まで全国平均前後以上の生徒が存在するなら、

大学入試に向けて使える学力の「材料」はかなり多い

と見るのが自然です。

では、なぜ直近の熊大合格者は49人だったのでしょうか。

「第二高校の教育が弱い」とは、まだ言えない

ここで簡単なのは、

「第二高校は入学時には優秀だが、3年間で伸ばせていない」

と結論づけることです。

しかし、調べていくうちに、この説明には大きな問題が出てきました。

学年が違うのです。

今回見ているのは現在の高校2年生。

2026年春の大学合格実績を作ったのは、当然、別の学年です。

さらに現在の高校3年生の模試データも手に入りました。

すると、現在の高2ほど単純に「非常に強い学年」とは言い切れない数字が出ています。

つまり、

学校の教育によって出口が弱くなっている

という可能性と、

最近の卒業学年・現高3が相対的に弱く、現高2が強い

という可能性を分けなければなりません。

これは今後、かなり重要な論点になります。

そして、もう一つ妙な数字がある

これだけ全国模試で強い第二高校高2。

ところが学校の数学の定期テストを見ると、

平均24点。

100点満点です。

全国偏差値58.5のAは52点。

全国偏差値62.4のBでさえ24点。

全国偏差値51.7のCは18点でした。

全国模試ではこれだけ強い集団が、

学校の数学では平均24点しか取れない。

では、この定期テストは何を測っているのでしょうか。

そして、平均点をここまで下げる難しいテストは、本当に大学受験の学力向上につながっているのでしょうか。

この疑問を追っていくと、第二高校だけではなく、マリストでも非常によく似た現象が起きていることが分かりました。

次回は、そこに入ります。

次回

【第4話】平均24点の数学

――第二高校の定期テストは、何を測っているのか

全国偏差値63.2、校内数学53位の生徒が、定期テストでは52点。

全国偏差値62.4の生徒が24点。

この二つの数字は、本当に矛盾しているのでしょうか。

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