第1話:テスト終了の日に、次の順位は決まる
「やっと終わったーー!」
定期テストの最終日、お昼過ぎの校門前は、まるで重力から解放されたかのような高校生たちの笑顔と歓声で溢れかえります。
我が子の張り詰めていた糸が切れる瞬間を見て、保護者の皆さんも「ひとまず、よく頑張ったね。今週末くらいは少しのんびりしなさい」と、ホッとした気持ちで迎えているのではないでしょうか。
しかし、テストが終了したその翌日。
ワカスクの教室では、全く違う空気が流れています。
入ってくるなり、少し期待を込めた表情で私に聞いてきた生徒がいました。
「先生、さすがに今日は(自習は)休みですよね?」
私はもちろん「お疲れ様」と声をかけます。
彼らの頑張りは誰よりも知っているからです。
でも、その次に必ず言うことがあります。
私は、机の上に見慣れない次の単元のテキストをコトッと置いた。
「いや、今日から9月だよ」
教室が一瞬、静かになった。
生徒は呆然とした顔で私とテキストを交互に見つめていました。
しかし、すぐに「やっぱりか……」と苦笑いしながら、ペンを握り直しました。
定期テストを臨時のイベント(ゴール)ではなく、次のテストへと途切れなく繋がっていく単なる「通過点」に変えること。
それが、ワカスクの設計です。
ーー本当に、そんなことが可能なのか。
テスト翌日から一切のブレーキを踏まずに動き出した高校生は、本当に化けるのか。
それとも、ただ過酷な設計に疲弊し、潰れていくだけなのか。
正直、私にもまだ答えはありません。
成功も失敗も、そのままに
「定期テスト終了=次の定期テスト開始日」
この過酷とも言えるルールを敷いたとき、教室の高校生たちはどう変わっていくのか。
私は正しい教育法を証明したいわけではありません。
この現場で一体何が起きるのかを、彼らと一緒に確かめたいのです。
だから、この夏は一切隠さず、リアルタイムで検証します。
明日、月曜日から土曜日までは、これまで通り、生徒たちが日々積み上げた生々しい「学習記録(データ)」を淡々と載せていきます。
- Ⅹ 5時間(数学:数列、英語:ターゲット)
- Y 4.5時間(物理:力学、国語:古文単語)
このように、ただ事実だけを積み上げます。
そしてまた次の日曜日。
この一週間、教室の現場で本当に起きたことだけを、そのままここに書きます。
それが成功だったのか、失敗だったのか。
生徒が笑ったのか、あるいは沈黙したのか。
明日からまた、教室ではいつも通り時間が流れます。
私は、その一週間をただ静かに見届けます。
来週、私は何を書くことになるのでしょうか。
まだ分かりません。
分からないからこそ、この実験を始めます。

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