課題を減らし、課外を自由にした学年が強い
現在の第二高校2年生。
この学年について、生徒たちから興味深い話を聞いています。
以前に比べて、
学校から出される課題が少ない。
そして、
課外も自由参加になっている。
少なくとも生徒たちの話を聞く限り、現在の高2では、学校が勉強を細かく管理する方向から、
本人に任せる方向
へ動いているように見えます。
そして、ちょうどその学年が、
全国模試でかなり強い。
全国平均98点、第二高校117点
2026年7月進研模試。
国数英3科目の全国平均は、
98.0点。
熊本県平均、
98.2点。
第二高校平均、
117.0点。
全国平均を19点上回っています。
個人を見ても、
Bは、
155点
全国偏差値62.4
校内50位/399人。
Aは、
137点
全国偏差値58.5
校内108位。
Cは、
106点
全国偏差値51.7
校内245位。
約400人いる第二高校で、
245位でも全国平均を上回る。
現在の高2は、上位50人だけが強い学年ではありません。
中間層までかなり厚い。
ここが重要だと思っています。
課題を減らしたから強くなったのか
ここで簡単に結論を出してはいけません。
現在の高2から、
課題が減った。
課外も自由参加になった。
そして全国模試が強い。
この三つを並べれば、
「学校が管理しなくなったから、生徒が伸びた」
と書きたくなります。
しかし、まだそこまでは言えません。
そもそも、この学年に学力の高い生徒が多かった可能性があります。
高校入試時点の学力も違う。
塾や家庭学習も違う。
部活動も違う。
本人たちの勉強量も違います。
したがって、現在確認できるのは、
学校による学習管理が以前より緩くなったと聞く学年が、現在の全国模試では強い。
ここまでです。
ただし、「自由にしたら学力が落ちた」とも言えない
逆方向の見方もできます。
課題を減らす。
課外を自由参加にする。
そうすると、
「高校生は勉強しなくなるのではないか」
という考え方です。
しかし少なくとも現在の高2を見る限り、
その現象は確認できません。
学校平均117点。
全国平均98点。
むしろ全国平均を大きく上回っています。
したがって現段階では、
「課題や課外を減らしたため、学年全体の学力が低下した」
という説明は成り立ちません。
Bは、学校の進度をほとんど基準にしていない
前回紹介したBを見ると、さらに分かりやすい。
Bは高校入学後、英語をかなり先まで進めました。
一方、数学でつまずいたときには、
高校数学を無理に続けるのではなく、
中学1年から中学3年まで戻りました。
その後は数学に時間を使う。
英語から長く離れたら、模試前に単語と文法を戻す。
学校が今どの単元をやっているかではなく、
本人の現在地から大学入試までを逆算して勉強する。
現在、
全国偏差値62.4
第二高校50位。
学校のカリキュラムと完全に無関係という意味ではありません。
しかし、本人の勉強の中心を、
学校の一律の進度に合わせてはいません。
Aも、学校の弱点をそのままにはしない
Aは、
高校入試194点。
高1・7月は347位でした。
しかし現在は、
108位。
数学は、
全国偏差値63.2
校内53位。
最近の定期テストでも、
数学52点
校内38位。
一方、英語は全国偏差値47.7。
明確な弱点があります。
だから現在は、
数学をさらに大量にやらせるより、
英語の単語・文法など、弱いところへ時間を回す。
学校から全員に同じ課題が大量に出ると、この調整は難しくなります。
自由な時間があれば、
本人に必要な科目へ時間を集中できます。
「課題が多い=勉強している」ではない
学校から大量の課題が出れば、
生徒は机には向かいます。
しかし、
その課題が、その生徒に今必要なのか
は別問題です。
数学が得意な生徒に、できる問題を大量に解かせる。
英語が弱いのに、数学の課題で何時間も使う。
反対に、数学の基礎が抜けている生徒に、現在の授業範囲だからという理由だけで難しい問題を解かせる。
これでは、
勉強時間は増えても、必要な勉強時間が増えたとは限りません。
もちろん、自由にすれば全員が伸びるわけでもない
ここも重要です。
課題を減らせば、
自分に必要な勉強ができる。
これは、自分で勉強する生徒には大きな利点です。
しかし、
空いた時間に何もしない生徒
も当然出ます。
実際、この連載で紹介しているCは、
高1・7月の154位から、
267位。
363位。
と落ちました。
勉強しなければ、自由な時間がそのまま学力向上につながるわけではありません。
Cは高2の夏休み前に入塾し、
まず、
英単語と英文法
を始めました。
その後の7月進研模試では、
363位 →245位。
全国偏差値も、
46.2 →51.7。
現在は英語の校内順位も、
324位 →210位
まで戻っています。
だから、
管理を減らせば伸びる
という話でもありません。
自由になった時間を、
何に使うか。
結局ここです。
現在の高2は、その自由と相性がいいのかもしれない
A。
B。
C。
3人だけでも、勉強の仕方は違います。
Aは数学・物理が強く、英語を補強する。
Bは英語を先に進め、数学でつまずけば中学まで戻る。
Cは夏休み前から、単語と文法をやり直す。
一律に同じ課題を与えるより、
必要なものを必要なだけやる
という方法と相性のいい生徒たちです。
現在の第二高校高2全体についても、
課題や課外が減ったことで、
自分で勉強できる生徒には時間を使いやすくなった可能性があります。
ただし、これはまだ仮説です。
では、高3はどうなのか
ここで少しだけ、高3について触れておきます。
現在の高校3年生からは、
進路選択について、学校側がかなり関与する場面もある
という話を聞いています。
共通テストの受験科目や、
私立大学の推薦をめぐって、
本人の希望と学校側の考えが一致しなかったという話もあります。
ただし、
これは現時点では本人から聞いた話が中心です。
学校側の説明や、正式な校内規定まで確認したわけではありません。
したがって、今の段階で具体的な基準や経緯を断定的に書くことはしません。
資料などで確認できれば、改めて検討します。
「学習の自由」と「進路指導」は分けて考える
ここで言えるのは、
日常の学習管理
と、
高校3年での進路指導
は別の問題だということです。
現在の高2では、
課題が減った。
課外も自由参加になった。
これは学習面での自由度です。
一方、高3の進路選択については、学校側が一定の方針を持っている可能性があります。
しかし、それだけで、
「第二高校は自由な学校だ」
とも、
「第二高校は管理の強い学校だ」
とも言えません。
さらに、高2と高3では学年も違います。
現在の高2から方針そのものが変わった可能性もあります。
そして、最近の大学合格実績
第二高校の熊大合格者数は、
68人
66人
69人
58人
56人
49人。
直近では減少しています。
一方、
現在の高2は全国模試で強い。
そして、この高2では、
課題が以前より少なく、
課外も自由参加になったと聞いています。
この組み合わせは、非常に興味深い。
もし、この学年が2年後に結果を出したら
現在の高2が、
このまま全国模試で高い位置を維持する。
そして2年後、
熊大をはじめとする国公立大学で大きく合格者を増やす。
もしそうなれば、
現在の高2で起きた学校の変化
を改めて検証する価値があります。
課題を減らしたこと。
課外を自由参加にしたこと。
それによって、
自分で勉強できる生徒が、自分に必要な勉強へ時間を使えるようになったのか。
一つの可能性として考えられます。
逆の結果なら、また考え直す
反対に、
現在これだけ強い高2が、
2年後の大学入試では十分な結果につながらなかったら。
そのときは、
別の問題を考えなければなりません。
高校2年時点の学力を、大学合格へどうつなげているのか。
共通テスト対策。
志望校設定。
科目戦略。
進路指導。
高3での学習。
そこに何かあるのかもしれません。
まだ分かりません。
だから、今は結論を出さない
現在確認できているのは、
第二高校高2は強い。
そして、
その学年では以前より課題が少なく、課外も自由参加になっていると生徒から聞いている。
この二つです。
因果関係はまだ分かりません。
ただ、
「高校は生徒を管理すればするほど伸びる」
という単純な話ではなさそうです。
そしてもう一つ。
第二高校の最近の大学合格実績を考えるとき、
現在の高2の数字だけを見て、
「第二高校全体がこれほど強い」
と考えるのも危険です。
なぜなら、
現在の高3について得られた模試データを見ると、
高2とはかなり違う姿
が見えてくるからです。
次回
【第9話】同じ第二なのに、高2と高3は同じ学校に見えない
――「第二高校の学力が落ちた」では説明できない理由
高2は、
全国平均98.0点に対して学校平均117.0点。
では、現在の高3はどうなのか。
一人の全統記述模試に記載された学校平均を見ると、高2とは違う景色が見えてきます。
第二高校49人の理由を考えるうえで、
次に検証するのは、
「学校差」ではなく「学年差」
です。

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