全国平均+19点だった学校が、全統模試では全国平均を下回った
ここまで8回、第一高校、第二高校、マリストについて書いてきました。
その中で、私がかなり驚いたのが、
現在の第二高校2年生の強さ
でした。
2026年7月進研模試。
国数英3科目の全国平均は、
98.0点。
第二高校平均は、
117.0点。
全国平均より、
19点高い。
さらに個人を見ると、
Bは、
全国偏差値62.4
校内50位/399人。
Aは、
全国偏差値58.5
校内108位。
Cは、
全国偏差値51.7
校内245位。
約400人いる第二高校で、
245位でも全国偏差値51.7。
ここから私は、
「現在の第二高校2年生は、上位だけではなく中間層まで相当強い」
と考えていました。
その評価自体が間違いだったわけではありません。
進研模試という物差しでは、実際にそういう数字が出ています。
しかし今回、
その評価を少し修正しなければならないデータ
が出てきました。
第二高校2年生の、
第2回全統高2模試
です。
進研模試と全統模試は、同じ「偏差値」ではない
高校生の模試を見ていると、同じ生徒でも進研模試と全統模試では偏差値がかなり違います。
私が普段、生徒たちの成績を見ている感覚では、
進研模試の偏差値より、全統模試の偏差値の方が10程度低く出るケースが多い。
もちろん、
「進研偏差値-10=全統偏差値」
という換算式があるわけではありません。
科目、学年、時期、本人の得意不得意、その回の問題。
すべて違います。
ただ、受験者集団が違います。
だから同じ「全国偏差値50」でも、意味は同じではありません。
大学受験を考えるなら、
全統模試ではどの位置にいるのか。
これも見ておきたい。
そして今回、その全統模試で第二高校の学校平均が分かりました。
英語 第二平均74.1点
まず英語。
今回の生徒は、
87/200点。
全国偏差値は、
52.1。
全国平均は、
79.7点。
第二高校平均は、
74.1点。
つまり、
全国平均 79.7
第二平均 74.1
第二高校平均の方が、
5.6点低い。
この生徒自身は全国偏差値52.1ですが、第二高校では、
114位/396人。
全国偏差値52.1で、校内では上位3割程度です。
数学も全国平均を下回った
数学は、
94/200点。
全国偏差値、
53.1。
全国平均は、
82.0点。
第二高校平均は、
77.1点。
こちらも全国平均より、
4.9点低い。
校内順位は、
131位/396人。
ただ、数学は内訳を見る必要があります。
必須問題は、
86/150点。
全国偏差値55.8。
校内90位/396人。
一方、選択問題は、
8/50点。
全国偏差値44.2。
校内175位。
この生徒については、
数学全体が弱いというより、必須問題では戦えているが、選択問題で大きく落とした
と見る方が正確でしょう。
国語は、学校平均がほぼ全国平均
国語の学校平均は、
79.0点。
全国平均は、
79.4点。
ほぼ同じです。
この生徒自身は、
46/200点。
全国偏差値36.7。
校内375位/396人。
特に、
古文2/50
漢文2/40
と、古典で大きく落としています。
したがって、この生徒個人の3科総合と第二高校全体の学力は、分けて考える必要があります。
そして、国数英3科目
今回、私が一番注目した数字です。
この生徒は、
227/600点。
全国偏差値、
47.3。
全国平均、
242.1点。
第二高校平均は、
230.2点。
つまり、
全国平均より11.9点低い。
ここで7月進研模試を思い出してください。
進研模試では、
全国平均 98.0
第二平均 117.0
全国平均より、
+19.0点。
ところが全統模試では、
全国平均 242.1
第二平均 230.2
全国平均より、
-11.9点。
同じ第二高校2年生です。
学校が数か月で突然弱くなったわけではありません。
物差しが変わったのです。
私は、ここで第二高校の見方を修正した
これまで私は、
「245位でも全国偏差値51.7」
という数字をかなり重く見ていました。
これは事実です。
ただし、
進研模試での全国偏差値51.7
です。
今回の全統模試。
この生徒は、
校内251位/396人。
そして、
全国偏差値47.3。
もちろんCと今回の生徒は別人です。
したがって、
「第二高校245位=全統偏差値47」
という換算はできません。
しかし、
進研模試では、
245位で51.7。
全統模試では、
251位で47.3。
偶然とはいえ、ほぼ同じ校内順位です。
第二高校の中間層を見るうえで、かなり興味深い数字だと思います。
「245位でも全国平均以上」の意味が変わった
私はこれまで、
第二高校245位でも全国偏差値51.7なのだから、
第二高校には全国平均以上の生徒が非常に多い
と考えていました。
進研模試の受験者集団の中では、その通りです。
しかし全統模試という別の物差しを当てると、
250位前後で、
全国偏差値47.3。
もちろん一人のデータだけで学校全体の250位前後を決めることはできません。
それでも、
第二高校の中間層は、進研模試だけを見て私が想像していたほど、全国の大学受験層の中で高い位置にいるとは限らない。
ここは評価を修正します。
それでも、第二高校が弱いわけではない
ここを間違えてはいけません。
今回の生徒は、
英語全国偏差値52.1で、
114位/396人。
数学全国偏差値53.1で、
131位/396人。
数学必須では全国偏差値55.8で、
90位/396人。
英数理系では、
181/400点。
全国偏差値52.6。
校内66位/212人。
つまり全統模試でも、全国偏差値50台前半の生徒が第二高校では100位前後にいます。
数学必須で55.8でも90位。
これは、
第二高校の上位層・準上位層の厚さ
を示す数字でもあります。
ただ、
進研模試だけを見たときほど圧倒的ではなかった。
私はそう捉え直しました。
ここで「熊大49人」の見え方も少し変わってくる
この連載を始めた大きな理由の一つが、第一高校と第二高校の熊大合格者数でした。
2026年春の熊本大学合格者数は、
第一高校 59人
第二高校 49人。
高校入試では第二高校の方が高い位置にある。
それなのに熊大合格者数では第一高校が10人多い。
ここから私は、
「第二高校は、持っている学力を大学合格へ十分に変換できていないのではないか」
という仮説を考えてきました。
しかし今回の全統模試を見ると、この仮説も少し修正する必要があります。
「熊大レベルの生徒が200人いる」という話ではなさそうだ
熊本大学の難易度は学部・学科によってかなり違います。
河合塾の2027年度入試ボーダーでは、一般選抜全体で偏差値47.5~62.5。
たとえば文学部52.5、工学系の学部学科ランク52.5、看護50.0、薬57.5など、幅があります。
しかも熊大は共通テストもあります。
たとえば文学部前期なら、共通テストに加えて個別試験で英語・国語が課されます。単純に「全統偏差値52.5だから熊大合格」という話ではありません。
それでも今回の全統模試を見る限り、
第二高校には熊大を十分狙える学力の生徒が200人、300人いるのに、49人しか合格していない
という単純な構図ではなさそうです。
進研模試だけを見ていたときより、
熊大49人という数字の「謎」は少し小さくなりました。
データが増えたら、仮説を変える
私は、この連載で最初から結論を決めるつもりはありません。
第二高校を批判するためでもない。
第一高校を持ち上げるためでもない。
マリストを否定するためでもない。
数字を集める。
仮説を立てる。
新しい数字が出たら、もう一度考える。
違っていたら、仮説を変える。
今回がまさにそれでした。
進研模試を見た私は、
「第二高校2年生は、中間層まで全国的にかなり強い」
と考えました。
全統模試が出てきた。
すると、
大学受験を意識した受験者集団の中では、そこまで単純ではなかった。
だったら、評価を変えます。
むしろ、ここからが面白くなった
今回のデータによって、
第一高校59人。
第二高校49人。
この10人差を、
「第二高校の進路指導に原因がある」
と単純には言えなくなりました。
同時に、
「第二高校の方が入口が高いのだから、本来は第一より熊大合格者が多くて当然」
とも簡単には言えません。
高校入試。
高2の進研模試。
高2の全統模試。
高3。
共通テスト。
大学入試。
全部、違う物差しです。
この間で3校の位置がどう変わるのか。
そこを追わなければ、本当のところは分かりません。
次に欲しいのは、第一高校の全統模試
ここまで来ると、次に見たい数字は明確です。
第一高校2年生の全統模試です。
学校平均はいくつなのか。
全国偏差値50の生徒が校内何位なのか。
55なら何位なのか。
第二高校と同じ物差しで比べたい。
もし第一高校の全統模試で第二高校と同程度の学力分布が確認できれば、
熊大59人と49人の差について、そもそもの前提から考え直す必要があります。
逆に第一高校の全統での学力分布が第二より低いのに、2年後の熊大合格者数では第一が上回るのであれば、
再び、
「高校3年間で大学合格へどうつなげているのか」
という問題が浮上します。
進研模試だけでは分からなかった
今回、一番大きかったのは第二高校の評価そのもの以上に、
模試によって学校の見え方がここまで変わる
と確認できたことです。
進研模試では、
全国平均98.0
第二平均117.0
+19.0点。
全統模試では、
全国平均242.1
第二平均230.2
-11.9点。
どちらも第二高校2年生のデータです。
どちらかが間違っているわけではありません。
見ている受験者集団が違います。
だから、
「全国偏差値○○だった」
だけでは学校の大学受験力までは分からない。
何の模試なのか。
校内で何位なのか。
学校平均はいくつなのか。
そこまで見なければならない。
第二高校の「本当の位置」が少し見えてきた
第二高校は、
進研模試ではかなり強い。
一方、今回の全統模試では、
学校平均が全国平均を上回っていない。
それでも、
全国偏差値50台前半の生徒が校内100位前後にいる。
熊本県内での位置と、全国の大学受験層の中での位置は同じではありません。
これが今のところ、私が考える第二高校2年生の姿です。
そして、この物差しで考えると、
熊大49人。
この数字も、最初に思ったほど不思議ではないのかもしれません。
ただし、まだ第一高校の同じデータがありません。
だから、まだ結論は出しません。
第一高校の全統模試が手に入ったら、もう一度比較します。
次回
【第10話】熊大49人は、本当に少ないのか
――全統模試で見直す、第二高校の大学受験力
進研模試では圧倒的に見えた第二高校。
しかし全統模試では、英数国の学校平均が全国平均を下回った。
では、
熊大49人という結果は、本当に「少ない」のか。
これまで立ててきた仮説を、全統模試という新しい物差しでもう一度検討します。

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