「高校の実力」はどこで決まるのか――第一・第二・マリストを追う【第23話】指定校推薦が決まった高校3年生――11月進研模試596点から考える学校の実力

11月の進研模試が終わりました。

今回、マリスト高校3年生の生徒が自己採点した結果は、1000点満点中596点でした。

この生徒は、すでに有名大学への指定校推薦が決まっています。

そのため、1か月以上、受験勉強はほとんどしていません。

それでも、9月の進研模試580点に対して、今回は596点。

16点高い結果となりました。

もちろん、模試の問題が異なるため、16点分学力が伸びたとは判断できません。

しかし、この結果を見て、私は学校の実力について一つ考えたいことがあります。

大学への合格が決まった生徒の学力を、私たちはどのように評価すべきなのでしょうか。

1. 進学先と学力は、必ずしも一致しない

高校の進学実績を見ると、有名大学への合格者数が目立ちます。

国公立大学に何人合格したのか。

難関私立大学に何人進学したのか。

こうした数字は、高校を選ぶ際の重要な資料になります。

しかし、同じ大学に進学する生徒であっても、入学時点の学力が同じとは限りません。

一般選抜で合格した生徒。

学校推薦型選抜で合格した生徒。

総合型選抜で合格した生徒。

大学に進学するまでの経緯は、それぞれ異なります。

特に指定校推薦では、学校での成績や校内選考などが重要になります。

共通テストで何点取ったかによって、合否が決まる制度ではありません。

したがって、大学合格実績だけを見ても、その学校の生徒が全国模試でどの程度の学力を身につけているのかは分かりません。

2. 今回の自己採点596点をどう見るか

今回の結果を科目別に見てみます。

科目 得点

国語 85/200

数学ⅠA 66/100

数学ⅡBC 61/100

英語リーディング 46/100

英語リスニング 88/100

地理 70/100

物理 70/100

化学 61/100

情報Ⅰ 49/100

合計 596/1000

得点率は59.6%でした。

数学や理科では6割から7割程度を取っています。

一方、国語、英語リーディング、情報Ⅰでは5割に届いていません。

科目によって、得点に差があります。

この結果をもって、大学進学後の学力を判断することはできません。

また、自己採点であり、正式な成績表もまだ確認できていません。

ただし、大学合格が決まった生徒についても、全国模試で確認できる学力には得意不得意があることが分かります。

3. 1か月以上勉強していなくても、得点は維持されたのか

9月の自己採点は580点。

11月は596点でした。

この間、生徒は受験勉強をほとんどしていません。

それでも、今回の得点は9月を16点上回りました。

ただし、異なる試験の点数をそのまま比較することはできません。

今回の問題が解きやすかった可能性もあります。

得意な分野が多く出題された可能性もあります。

それでも、学習量が減った期間を挟んで約6割の得点を取れたことは、一つの観察結果です。

ここから考えたいのは、学力の定着という問題です。

高校で学習した内容は、卒業後も使える知識になっているのでしょうか。

それとも、試験が終われば忘れてしまう知識なのでしょうか。

学校の実力を考えるうえで、私はこの違いも重要だと思います。

4. 指定校推薦の合格実績は、何を示しているのか

指定校推薦による大学合格は、生徒にとって大きな成果です。

学校での成績を維持し、推薦を得て、進学先を確保する。

その努力は評価されるべきでしょう。

一方で、指定校推薦の合格者数だけから、学校全体の学力水準を判断することはできません。

なぜなら、指定校推薦で評価されるものと、全国模試で測定されるものは必ずしも同じではないからです。

高校での評定。

学校生活での取り組み。

校内選考。

大学が定める推薦条件。

これらは、全国模試の得点とは異なる評価軸です。

指定校推薦の実績が豊富な学校には、進路選択の面で魅力があります。

しかし、その実績を学校の学力向上の成果と同一視することには慎重であるべきでしょう。

5. 学校の教育力を測るなら、卒業時の学力も見たい

私は、学校の実力を考えるうえで、卒業時点の学力にも注目したいと思っています。

例えば、同じ学校に入学した生徒が、高校3年間でどこまで学力を伸ばしたのか。

高校1年生のときには全国平均に届かなかった生徒が、高校3年生では全国平均を上回るようになったのか。

あるいは、入学時点では全国平均を大きく上回っていた生徒が、その水準を維持できているのか。

こうした変化を確認することができれば、学校の教育成果を考えるための資料になります。

ただし、学力の伸びには本人の努力や家庭学習、塾での学習なども影響します。

全国模試の結果だけで、伸びた原因を学校の授業に求めることはできません。

それでも、合格した大学の名前だけでなく、そこに至るまでの学力の変化を確認することには意味があると思います。

6. 第二高校とマリスト高校の比較にもつながる

これまでの記事では、第二高校とマリスト高校の進研模試の学校平均を比較してきました。

2026年7月の高校2年生の3教科平均は、第二高校117.0点、マリスト高校88.6点。

両校には28.4点の差がありました。

しかし、この数字は現在の高校2年生のものです。

今回紹介した596点は、現在の高校3年生1名の自己採点です。

学年も、試験形式も、比較する対象も違います。

そのため、これらの数字を直接比較することはできません。

それでも、学校平均と個人の成績、そして大学進学実績という三つの資料を区別することは重要です。

学校平均が高いこと。

個人の学力が伸びること。

有名大学への合格者が出ること。

これらは関連していますが、同じ意味ではありません。

7. 学校の実力は、合格した大学名だけでは決まらない

今回のマリスト高校3年生は、有名大学への指定校推薦が決まりました。

そして、11月進研模試では596点という自己採点結果を残しました。

大学への進学が決まっている以上、今後は一般選抜の得点を追い求める必要はありません。

大学入学後に必要な学力を身につけることが、新しい目標になります。

今回の結果は、学校全体の教育力を証明するものではありません。

しかし、大学合格実績と実際の学力を分けて考えるきっかけにはなります。

私は、学校の実力を考える際に、大学合格者数だけで判断することは避けたいと思っています。

どの大学に合格したのか。

その大学に進学するまでに、どの程度の学力を身につけたのか。

この二つは、どちらも大切な情報です。

今後も進研模試の学校平均と個々の生徒の成績推移を確認しながら、高校の実力について考えていきたいと思います。

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