【ちりぬるを】――勉強する子は、どうやってつくられるのか【第26話】

第26話 九工大36.8%。二日後、熊大の数列は全部解けた

9月23日。

高校3年生。

九州工業大学の数学。

2025年度の過去問を解きました。

試験時間は120分。

結果は、

19問中7問正解。

正答率36.8%。

大学受験が近づいている高校3年生としては、厳しい数字です。

でも、この日の記録で私が見たのは、36.8%という正答率だけではありません。

どこで間違えたのか。

そこを見ます。

■ 19問中7問

大問ごとの結果です。

分野正解数
数列1問/6問
曲線1問/4問
微積分3問/5問
ベクトル2問/4問
合計7問/19問

微積分は、5問中3問。

ベクトルは、4問中2問。

一方、数列は6問中1問。

曲線は4問中1問。

同じ36.8%でも、分野によって状況が違います。

特に数列。

ここは、もう一度やる必要があります。

■ 翌日、黄チャートへ戻る

9月24日。

2時間。

『黄チャートⅡB』

数列。

大学の過去問を解いた翌日に、参考書へ戻りました。

過去問で解けなかった。

だから、もう一度、黄チャート。

大学受験の勉強というと、難しい問題を次々と解くイメージがあります。

でも、実際には、こういう時間が必要になります。

過去問で間違える。

参考書へ戻る。

基本事項を確認する。

もう一度解く。

■ 9月25日、今度は熊本大学

二日後。

熊本大学。

2026年度の数学。

試験時間120分。

結果は、

11問中5問正解。

正答率45.4%。

九工大の36.8%から、数字は上がりました。

ただし、大学も問題も違うので、この二つの正答率をそのまま比較して、実力が上がったとは言えません。

大事なのは、今回の内訳です。

分野正解数
数列3問/3問
ベクトル1問/3問
微積分0問/2問
指数・対数1問/3問
合計5問/11問

数列。

3問中3問。

全部正解しました。

二日前、九工大では6問中1問だった分野です。

もちろん、問題の難易度は違います。

それでも、黄チャートへ戻ったあと、別の大学の数列を解けた。

これは、一つの変化です。

■ さらに13問中13問

熊本大学の過去問を解いたあとも、数列を続けました。

『黄チャートⅡB』

数列。

PR15からPR20。

合計13問。

13問中13問正解。

ここまでの三日間を並べます。

9月23日。

九工大の数列。

6問中1問。

9月24日。

黄チャートで数列を復習。

9月25日。

熊大の数列。

3問中3問。

その後、黄チャート。

13問中13問。

少なくとも、この三日間では、数列の問題に対応できる場面が増えています。

■ では、数列は完成したのか

私は、まだそうは判断しません。

九工大の問題と、熊大の問題は違います。

黄チャートの問題も、大学入試とは違います。

数列という同じ分野でも、問題によって必要な発想は変わります。

だから、次に別の過去問を解いたとき、また間違えるかもしれません。

そのときは、もう一度戻ります。

ただ、何もせずに次の過去問へ進むより、今回のように弱点を一つずつ修正するほうが、意味はあると思っています。

■ 45.4%の中にも、新しい課題がある

熊大の数学。

11問中5問。

数列は全部正解。

でも、微積分は2問中0問。

ベクトルは3問中1問。

指数・対数も3問中1問。

数列ができたからといって、数学全体ができるようになったわけではありません。

むしろ、次にやることが見えてきました。

微積分。

ベクトル。

指数・対数。

これらをどうするか。

過去問を解くたびに、次の課題が出てきます。

■ 過去問は、点数を出すためだけではない

大学の過去問を解く。

何点だった。

合格最低点に届いた。

届かなかった。

もちろん、それも重要です。

でも、私は過去問を、点数を測るためだけには使っていません。

今、何ができないのか。

どの単元へ戻る必要があるのか。

それを判断するためにも使います。

今回なら、九工大の36.8%という結果から、数列へ戻りました。

そして、二日後には、熊大の数列を全部解けた。

過去問が、次の勉強内容を決めています。

■ 高校3年生の9月

大学受験まで、残された時間は限られています。

数学ⅠAから、もう一度全部やり直す。

数学ⅡBも、最初から全部やる。

それでは、時間が足りないかもしれません。

だから、過去問を使います。

できないところを見つける。

必要なところへ戻る。

また過去問を解く。

全部を同じように復習するのではなく、今必要なところへ時間を使う。

■ 36.8%を、どう使うか

九工大。

36.8%。

この数字だけなら、厳しい結果です。

でも、そこで終わらせません。

数列が弱い。

黄チャートへ戻る。

熊大の数列。

3問中3問。

黄チャート。

13問中13問。

三日間で、ここまで進みました。

もちろん、次の過去問でどうなるかは分かりません。

また、数列で間違えるかもしれない。

別の単元で、大きく失点するかもしれない。

そのたびに、戻ることになります。

大学受験の終盤は、こういう小さな修正の連続なのだと思います。

過去問を解くことが目的ではない。過去問を解いたあと、何をするか。

9月23日の36.8%。

その数字から始まった三日間でした。

(『ちりぬるを』第26話 了)

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