【ちりぬるを】――勉強する子は、どうやってつくられるのか【第23話】

第23話 「次は、もっと早く始めたい」と本人が言った

中学2年生。

9月の定期テスト。

目標は、

200点でした。

結果は、

届きませんでした。

約30点、

足りなかった。

この生徒は、

約2か月、

定期テストの勉強をしてきました。

それでも、

200点には、

届かなかった。

■ 私は、次の計画を考えていた

テストが終われば、

当然、

次を考えます。

何が足りなかったのか。

どの科目を、

増やすのか。

どこを、

やり直すのか。

次のテストは、

11月25日、26日。

まだ、

時間があります。

私は、

次の勉強計画を、

考えていました。

ところが、

その前に、

本人から、

言葉が出ました。

「次は、もっと早く始めたい。」

■ これは、少し意外だった

約2か月。

すでに、

かなり早く始めています。

一般的な定期テスト対策なら、

二週間前。

早くても、

一か月前。

それを、

約2か月やった。

それでも、

本人は、

足りなかったと感じたようです。

■ 「もっと勉強しなさい」とは言っていない

私が、

「次はもっと早く始めよう」

と言ったわけではありません。

「勉強時間が足りなかった」

と、

説教したわけでもありません。

本人が、

自分で、

そう言いました。

ここは、

少し面白いと思いました。

■ 失敗したから、時間の感覚が変わった

もし、

簡単に200点を超えていたら。

「これくらいやれば大丈夫」

そう思ったかもしれません。

でも、

届かなかった。

二か月やっても、

届かなかった。

そこで、

本人の中で、

何かが変わったのかもしれません。

勉強には、

思っていたより、

時間がかかる。

覚えるだけでは、

足りない。

一回やっただけでは、

残らない。

そういうことを、

点数から感じたのかもしれません。

■ 中学3年英語は、一度終わった

この生徒は、

すでに、

中学3年英語まで、

一周しています。

まだ、

中学2年生です。

全部できるわけではありません。

半分程度しか取れない単元もあります。

それでも、

一度、

最後まで見ました。

だから、

ここからは、

先取りだけを続けません。

次の定期テストへ、

戻ります。

■ 学校の授業を、一周目にしない

これから、

学校で習う。

でも、

本人にとっては、

初めてではありません。

一度、

問題集で見ている。

一度、

間違えている。

一度、

分からなかった経験がある。

その状態で、

学校の授業を受ける。

すると、

学校の授業が、

二回目になります。

■ 未来の授業を、復習に変える

これは、

先取りの、

大きな意味だと思っています。

学校より、

何か月先へ進んだ。

高校内容まで行った。

それだけが、

先取りではありません。

一度、

先に触れておく。

そして、

学校で、

もう一度見る。

未来の授業を、復習に変える。

そのために、

先へ進む。

■ 次は、何か月やるのか

11月25日、26日。

次のテスト。

9月から始めれば、

二か月以上あります。

かなり長い。

でも、

ずっと、

同じ問題をやるわけではありません。

英語。

数学。

理科。

社会。

一度やる。

忘れる。

また戻る。

学校で習う。

もう一度やる。

この繰り返しになります。

■ 早く始めると、忘れる

当然です。

9月に覚えたことを、

11月まで、

全部覚えているわけではありません。

でも、

私は、

それでいいと思っています。

忘れる。

そして、

もう一度やる。

その時間を、

最初から作っておく。

テスト一週間前に、

初めて覚える。

忘れる前に、

本番。

それとは、

違う勉強になります。

■ 自分で時間を見積もれるようになるか

今回、

私が一番気になったのは、

点数ではありません。

本人が、

「もっと早く始めたい」

と言ったことです。

勉強計画は、

普通、

大人が作ります。

この日から、

テスト勉強。

このページまで。

一日、

何時間。

でも、

最終的には、

本人が、

自分で時間を見積もれるようになってほしい。

この教科は、

これくらいかかる。

私は、

一回では覚えない。

三回くらい必要。

だから、

この日から始める。

そこまで、

自分で分かるようになる。

■ 点数が足りなかったことを、どう使うか

200点に、

届かなかった。

これは、

失敗です。

でも、

その失敗から、

本人が、

「もっと早く」

と言った。

だったら、

その言葉を、

次のテストで、

試してみます。

本当に、

早く始めれば、

変わるのか。

それとも、

時間ではなく、

別の問題があるのか。

まだ、

分かりません。

■ 今度は、本人が決めた実験

最初の実験は、

私が始めました。

定期テスト対策を、

早く始めたら、

どうなるのか。

今回は、

少し違います。

本人が、

言いました。

「次は、もっと早く始めたい。」

だったら、

やってみます。

11月25日、26日。

次の定期テスト。

今日から、

もう、

次の試験は始まっています。

(『ちりぬるを』第23話 了)

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