【ちりぬるを】――勉強する子は、どうやってつくられるのか【第24話】

第24話 同じ学校、同じテスト。それでも点数は違った

9月。

中学2年生の定期テストが終わりました。

同じ学校。

同じ学年。

同じ問題。

でも、結果は違いました。

一人は、164点。

もう一人は、数学45点、理科48点、社会41点、英語39点。

同じ学校に通っていても、学力も勉強の進み方も違います。

そして、テストが終わったあとに何をするかも、違います。

■ 164点だった生徒

国語37点。

数学28点。

理科29点。

社会37点。

英語33点。

合計164点。

特に気になるのは、数学と理科です。

数学28点。

理科29点。

この数字だけを見れば、数学と理科を重点的に勉強させたくなります。

でも、私は点数だけで次の教材を決めません。

実際に問題を解かせて、どこで止まるのかを見ます。

■ 数学45点だった生徒

もう一人は、数学45点。

理科48点。

社会41点。

英語39点。

こちらは、かなり高い点数です。

しかし、数学45点だからといって、何でも解けるわけではありません。

学校の定期テストで45点取れることと、初めて見る高校入試問題を解けることは、別です。

だから、こちらは先へ進みます。

中学3年数学。

図形。

相似。

三平方の定理。

学校の進度より先へ進めながら、高校入試で使える力をつけていきます。

■ 同じ数学でも、やることが違う

164点だった生徒は、中学2年数学の図形と証明を進めています。

9月16日。

2時間勉強。

『数学 完全攻略2年』

一次関数。

ステージ1。

11問中11問。

ステージ2。

11問中11問。

この部分は、できています。

だからといって、数学全体が完成したわけではありません。

次の単元へ進めば、また間違える問題が出てきます。

一方、数学45点だった生徒は、中学3年の図形を進めています。

ただし、途中で三角比に進もうとしたとき、十分に理解できていない部分がありました。

そこで、高校数学へ進むことを急がず、中学3年の図形へ戻しました。

点数が高い生徒でも、必要なら戻します。

■ 定期テストで10点落とした問題

今回の数学では、文章を読んで空欄を埋める形式の問題がありました。

10点分です。

一人は、その10点を取れました。

もう一人は、落としました。

では、その形式だけを特別に練習させるのか。

私は、必要ないと判断しました。

学校の定期テストには、独特の出題形式が入ることがあります。

その問題に対応するためだけに、多くの時間を使う。

それよりも、数学そのものを理解させたい。

今回の10点を取り返すことより、次に初めて見る問題を解けるようにすることを優先します。

■ 勉強時間にも差がある

もう一つ、見ていることがあります。

勉強時間です。

毎日のようにワカスクへ来て、3時間、4時間と勉強する生徒がいます。

一方、週3回、週4回。

一回2時間程度の生徒もいます。

もちろん、勉強時間が長ければ必ず点数が上がるわけではありません。

でも、勉強量の差は無視できません。

特に、数学や英語だけでなく、理科と社会まで十分に仕上げようとすると、かなりの時間が必要です。

■ 7月のテストでは、見えにくかった

7月の定期テストでは、かなり点数が取れた生徒もいました。

ただ、試験範囲は比較的狭かった。

範囲が狭ければ、短期間でも対応できることがあります。

ところが、範囲が広がると、事情が変わります。

以前習った内容。

覚えていたはずの知識。

まだ理解が曖昧な単元。

そうしたものが、一気に出てきます。

短期間の勉強だけでは、対応しきれなくなることがあります。

■ 同じ学校だから、同じ勉強ではない

学校では、同じ授業を受けます。

同じ宿題が出ます。

同じ定期テストを受けます。

でも、塾でまで同じことをする必要はないと思っています。

数学28点の生徒。

数学45点の生徒。

前者は、今の学年の内容を確実にしていく。

後者は、中学3年の内容や高校入試問題へ進んでいく。

ただし、どちらも、できないところがあれば戻す。

同じ教材を同じページまで進めることが、個別指導ではありません。

■ 次の問題は、教室の外にある

今、ワカスクでは、来れば勉強する生徒が増えてきました。

2時間。

3時間。

4時間。

教室では、かなり集中して取り組んでいます。

でも、家ではほとんど勉強しない生徒もいます。

ここは、まだ変えられていません。

熊高を目指す生徒にとって、塾で2時間勉強するだけでは、十分とは思えません。

今後は、教室でできるようになった勉強を、少しずつ家でもできるようにする必要があります。

■ 11月の定期テストへ

同じ学校。

同じ学年。

同じテスト。

それでも、次にやることは違います。

数学28点の生徒には、その生徒の課題がある。

数学45点の生徒にも、別の課題がある。

どちらも、まだ中学2年生です。

次の定期テストは、11月。

そこまでに、何を変えられるのか。

そして、テストの点数だけでなく、勉強する時間そのものを増やせるのか。

次に越えなければならない壁は、教室の外にあります。

(『ちりぬるを』第24話 了)

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