「高校の実力」はどこで決まるのか――第一・第二・マリストを追う【第6話】194点、174点、170点

高校入試の順位は、1年後も続くのか

高校入試の点数は、その生徒の高校3年間をどこまで予測できるのでしょうか。

現在、第二高校の高校2年生を3人追っています。

ここではA、B、Cとします。

3人の高校入試の得点は、

A 194点

B 174点

C 170点

でした。

250点満点です。

入学時点では、

A > B > C

です。

AとBには20点差。

AとCには24点差あります。

高校入試だけを見れば、Aが高校でも最も上位にいて、B、Cと続くように思えます。

ところが、1年数か月後。

順番は変わっていました。

高2・7月では、174点のBがトップ

2026年7月進研模試。

国語・数学・英語3科目の結果は、

B 全国偏差値62.4 校内50位

A 全国偏差値58.5 校内108位

C 全国偏差値51.7 校内245位

でした。

高校入試ではAより20点低かったBが、Aより58人上にいます。

つまり、

入試時 A > B > C

だったものが、

高2夏 B > A > C

に変わりました。

高校入試から、わずか1年数か月です。

194点で入ったA

Aは高校入試で194点。

3人の中では最も高い点数で第二高校に入りました。

ところが、高校1年最初の7月進研模試では、

校内347位。

かなり下からのスタートでした。

その後、

347位

↓

322位

↓

134位

↓

108位

と上がってきます。

これは、かなり大きな変化です。

そしてAには、現在はっきりした強みがあります。

数学です。

高2・7月進研模試では、

数学 全国偏差値63.2

校内53位。

最近の学校の定期テストでも、

数学52点

校内38位。

学校平均は24点でした。

さらに学校の定期テストでは、

物理65点。

高1最初の347位だけを見ていたら、現在の姿はかなり予測しにくかったと思います。

174点で入ったB

Bは高校入試174点。

Aより20点低い点数で入学しました。

ところが、高校1年最初の7月進研模試で、

15位。

私自身、この数字には驚きました。

その後は、

15位

↓

95位

↓

150位

↓

50位

と動いています。

一直線に上がったわけではありません。

むしろ一度、大きく下がっています。

それでも高2夏には再び50位まで戻ってきました。

なぜ、174点で入った生徒が15位になったのか。

そして、なぜ150位まで落ちたのか。

さらに、なぜ50位まで戻れたのか。

ここには、高校入試後の勉強の進め方がかなり関係しています。

この話は次回、詳しく書きます。

170点で入ったC

Cは170点。

3人の中では最も低い点数で第二高校に入りました。

高1・7月進研模試では、

全国偏差値57.0

校内154位。

決して悪いスタートではありません。

ところが、その後、

154位

↓

267位

↓

363位

まで下がります。

全国偏差値も、

57.0

↓

52.3

↓

46.2

まで低下しました。

しかし、ここで終わりではありません。

高2・7月には、

全国偏差値51.7

校内245位

まで戻っています。

363位から245位。

118人抜き返しました。

だからCについても、

「ずっと成績が落ち続けている生徒」

という見方は正確ではありません。

高1冬を底に、すでに回復が始まっています。

ここで一度、3人を並べます。

高校入試では、

A 194

B 174

C 170

でした。

ところが高1最初の進研模試では、

B 15位

C 154位

A 347位

です。

ほとんど逆です。

さらに高2・7月になると、

B 50位

A 108位

C 245位

になります。

また順番が変わりました。

この3人だけを見ても、高校入試の得点だけで高校の順位を予測することが難しいことが分かります。

高校入試は「ゴール」ではなく、その日の位置

もちろん、高校入試の点数に意味がないわけではありません。

194点取れる生徒と170点の生徒では、その時点で身についている知識や処理力に差がある可能性があります。

しかし高校入試は、

中学3年生のある時点で行われる一つの試験

です。

高校に入れば、数学は一気に難しくなります。

英語も語彙量が増えます。

理科も物理・化学・生物へ分かれます。

そして何より、

高校に入ってから、どれだけ勉強したか

によって差が動き始めます。

中学校まで強かった生徒が勉強しなくなれば落ちる。

高校入試では目立たなかった生徒でも、勉強すれば上がる。

当たり前のことです。

しかし学校の進学実績を考えるとき、この当たり前のことが非常に重要になります。

高校の実力を見るなら、「入口」だけでは足りない

高校偏差値は、その学校へ入ってきた生徒の学力をある程度表します。

しかし、それだけで学校の教育力は分かりません。

本当に見たいのは、

どんな学力の生徒が入ってきて、3年間でどこまで行ったのか。

という変化です。

Aは194点で入って347位から108位へ。

Bは174点で入って15位になり、一度150位まで落ち、50位へ。

Cは170点で入り、154位から363位まで落ち、その後245位へ。

同じ第二高校。

同じ学年。

それでも、動き方はまったく違います。

そして、もう一つ重要なことがある

この3人を見ていると、

「学校が何を教えたか」だけでは、成績の変化を説明できない

ことも分かります。

同じ授業を受けていても、

15位になる生徒。

347位になる生徒。

363位まで落ちる生徒。

そこから100人以上戻す生徒。

がいます。

本人が何を勉強したのか。

どの科目に時間を使ったのか。

分からなくなったとき、どこまで戻ったのか。

その違いが非常に大きい。

だから、学校の教育力を分析するときも、

個人の努力による変化と、学校全体の変化を混同してはいけない

と思っています。

一人が伸びたから、その学校の教育が優れているとは言えません。

一人が落ちたから、その学校の教育が悪いとも言えません。

学校を見るなら、個人を追いながら、同時に学校平均や学年全体の分布を見る必要があります。

では、Bはなぜ15位になったのか

3人の中でも、最も変化が激しいのがBです。

高校入試174点。

高1・7月15位。

その後95位。

150位。

そして高2・7月50位。

実はBは、高校入学前から普通とは少し違う勉強をしています。

高校英語を先に進めた。

ところが高校に入ると、数学で苦戦した。

学校の数学では5点を取ったこともあります。

そこで高校数学を無理に進めるのではなく、

中学1年の数学まで戻りました。

中1。

中2。

中3。

夏休みに、自分でやり直しました。

そこから数学に時間を使うようになります。

すると今度は、英語から離れていきました。

そして順位が落ちます。

高2の7月模試前。

久しぶりに英単語と英文法へ戻しました。

結果は、

150位から50位。

この動きは、偶然なのでしょうか。

次回は、B一人だけを追います。

次回

【第7話】15位から150位、そして50位

――なぜ一度落ちた生徒が戻ってきたのか

高校の成績を決めるのは、

「どこまで先に進んだか」なのか。

それとも、

「分からなくなったとき、どこまで戻れるか」なのか。

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