【ちりぬるを】――勉強する子は、どうやってつくられるのか【第25話】

第25話 塾では勉強する。でも、家ではやらない

ワカスクでは、

毎日、

生徒の勉強時間を記録しています。

2時間。

3時間。

4時間。

中学生でも、

これくらい勉強する生徒がいます。

教室へ来る。

席に座る。

教材を開く。

問題を解く。

以前より、

勉強する時間は、

確実に増えてきました。

でも、

一つ、

まだ変わっていないことがあります。

家では、ほとんど勉強しない。

■ 塾へ来れば、勉強する

これは、

かなり大きな変化だと思っています。

家では、

なかなか勉強を始められない。

でも、

ワカスクへ来れば、

2時間。

3時間。

勉強する。

私が、

横について教え続けているわけではありません。

教材を読む。

問題を解く。

答え合わせをする。

間違えたら、

解説を読む。

それを、

自分で進めています。

少なくとも、

教室の中では、

勉強することが、

少しずつ普通になってきました。

■ でも、家へ帰ると止まる

塾で、

3時間勉強した。

家へ帰る。

そのあと、

勉強しない。

次の日、

塾がなければ、

その日も勉強しない。

そして、

次に塾へ来たとき、

また勉強する。

こういう生徒がいます。

塾ではできる。

でも、

家ではやらない。

これは、

どう考えればいいのでしょうか。

■ 勉強できないわけではない

教室では、

2時間、

問題を解けています。

3時間、

教材を読めています。

だから、

勉強する能力が、

全くないわけではありません。

では、

家では、

なぜ始められないのか。

教材がないわけではありません。

何をやればいいかも、

ある程度分かっています。

それでも、

始まらない。

■ 「解ける」と「始められる」は違う

私は、

最近、

この二つを、

分けて考えるようになりました。

問題を解く力。

そして、

勉強を始める力。

教室では、

周りの生徒が勉強しています。

席があります。

教材があります。

勉強する時間があります。

だから、

自然に始められる。

でも、

家では、

自分で始めなければなりません。

ここに、

別の難しさがあります。

■ 環境が変われば、行動も変わる

家では、

勉強しない。

でも、

塾では、

勉強する。

それなら、

環境には、

かなり大きな力があるということです。

本人の意志だけで、

全部が決まるわけではありません。

勉強する場所。

勉強する時間。

周りの人。

そういうものによって、

行動は変わります。

■ では、塾だけで十分なのか

ここが、

次の問題です。

例えば、

週4回。

一回2時間。

合計8時間。

中学生として、

決して少ない時間ではありません。

でも、

熊高を目指す生徒なら、

それだけで十分とは思えません。

数学。

英語。

国語。

理科。

社会。

高校入試までに、

やることは、

かなりあります。

■ 塾の時間を増やせばいいのか

一つの方法は、

塾へ来る時間を増やすことです。

週4回を、

週5回にする。

2時間を、

3時間にする。

それなら、

勉強時間は増えます。

実際、

毎日のように来て、

3時間、

4時間勉強する生徒もいます。

でも、

それだけでいいのか。

私は、

少し考えています。

■ 塾がないと勉強しないままでいいのか

高校へ進学する。

大学受験をする。

そのとき、

いつも塾が必要なのか。

誰かが、

勉強する場所を用意しなければ、

始められない。

それでは、

少し困ります。

最終的には、

自分で勉強できるようになってほしい。

でも、

今すぐ、

家でも毎日3時間やれと言っても、

簡単には変わりません。

■ 家まで管理するべきなのか

宿題を出す。

毎日、

勉強時間を報告させる。

写真を送らせる。

そういう方法もあります。

でも、

それをすると、

家まで、

塾の管理下に入ることになります。

管理すれば、

勉強するかもしれません。

しかし、

管理を外したとき、

どうなるのか。

そこも、

考えなければなりません。

■ 補助輪を、いつ外すのか

自転車の練習では、

最初から、

補助輪なしで乗れるわけではありません。

補助輪があるから、

進める。

でも、

いつまでも、

補助輪が必要なままではありません。

勉強も、

少し似ているのかもしれません。

最初は、

塾へ来れば勉強する。

それでいい。

次は、

塾がない日にも、

少し勉強する。

そして、

自分で必要な時間を考えられるようになる。

■ 11月の定期テスト

次の定期テストは、

11月です。

今度は、

塾での勉強だけではなく、

家での勉強も、

少し見ていきたいと思っています。

何時間やったのか。

何をやったのか。

それが、

点数にどうつながるのか。

ただし、

最初から、

大きな変化を期待しているわけではありません。

家で、

30分。

それだけでも、

今まで0分だった生徒には、

変化です。

■ 「勉強する子」は、まだ完成していない

ワカスクへ来れば、

勉強する。

これは、

少しできてきました。

でも、

家ではやらない。

だったら、

まだ、

勉強する子をつくれたとは、

言えないのかもしれません。

一方で、

家では勉強しなくても、

塾という場所を使って、

自分で勉強を進められるなら、

それも一つの方法です。

必ずしも、

家で勉強することだけが、

正解ではないのかもしれません。

■ 次に見たいのは、教室の外

今までは、

教室へ来た生徒が、

何時間勉強するのかを、

見てきました。

これからは、

教室にいない時間も、

少し見ていきます。

塾でできるようになったことが、

家でもできるようになるのか。

それとも、

塾という環境を使い続けることで、

十分な勉強量を確保できるのか。

まだ、

答えは出ていません。

ただ、

一つだけ、

はっきりしています。

勉強する場所を作る段階から、勉強する人を作る段階へ。

ワカスクの実験は、

次の段階に入ろうとしています。

(『ちりぬるを』第25話 了)

実際の生徒の変化を一つ加えて

11月までの具体策を示して

保護者への問いかけで締めて

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