【教育実験レポート】「空気」は本当に学習習慣を変えるのか【第5週】

今週の仮説

先週に続き、今週も教室の「入室・退室時刻」を記録している。

見るのは、勉強内容でも成績でもない。

「いつ来て、どれだけ滞在したか」

という行動だけである。

今週は、日曜日から水曜日までの4日間。

高校生の長時間滞在が続く中で、

中学生の3時間前後の滞在は続くのか

高校1・2年生の利用時間は伸びるのか

朝から自習室に来る生徒が増えるのか

同じ生徒が何日も続けて利用するのか

を観察する。

先週は「3時間前後の滞在」が一つの基準になりつつあるように見えた。

では、その傾向は今週も続くのか。

観察方法

記録したのは、入室時間、退室時間、滞在時の3項目。

再入室があった場合は合算した。

なお、滞在時間は「勉強時間」そのものではない。

あくまで自習室にいた時間である。

そのため、今回のデータから直接「何時間勉強した」とは判断しない。

見るのは、あくまで学習環境への滞在行動である。

今週の記録

8月9日(日)

ク 2:02

イ 5:45

ウ 4:10

B 1:27

C 2:54

オ 2:06

ケ 1:56

日曜日であっても、午前中から自習室を利用する生徒がいる。

特に高校生だけではなく、中学生も早い時間から利用している点が注目される。

8月10日(月)

月曜日になると、利用時間はさらに伸びた。

この日は、

コ 5時間04分

ウ 5時間47分

C 3時間34分

A 3時間59分

ケ 3時間46分

エ 3時間00分

1日の延べ滞在時間は、35時間43分となった。

一人の勉強時間ではない。

自習室を利用した生徒全員の「滞在時間」を合計した数字である。

8月11日(火)

この日はさらに特徴的だった。

高3のイが、

9:50入室 → 16:30退室

で、6時間40分。

高1のコも、

9:59入室 → 15:30退室

で、5時間31分。

さらに中2のAが3時間48分、Cが3時間08分。

高2のカは3時間15分、ケとオもそれぞれ3時間06分。

1日の延べ滞在時間は、

36時間39分。

4日間の中で、この日が最も大きな数字となった。

朝10時前後から自習室に入り、午後まで長時間滞在する高校生がいる。

その一方で、中学生も3時間前後の滞在を続けている。

8月12日(水)

水曜日も長時間利用は続いた。

高1のコは、

11:40 → 17:00

で、5時間20分。

中2のAは、

13:09 → 17:00

で、3時間51分。

Cも3時間27分。

高2のケ、高3のウはそれぞれ3時間18分。

この日は高3のウが一度退室した後、13:42に再入室している。

再入室を合算すると、ウはこの日、

5時間53分の滞在となった。

1日の延べ滞在時間は、33時間25分。

前日の36時間39分からは少し減ったものの、依然として30時間を超えている。

生徒別・この4日間の特徴

今回の4日間で特に目立つのは、「長時間利用する生徒が一度だけ現れる」のではなく、複数日にわたって利用していることである。

高3

イは8月11日に6時間40分。

ウは8月10日に5時間47分、8月12日にも再入室を含めて5時間53分。

受験学年の長時間利用が目立つ。

高1

コは8月10日が5時間04分、8月11日が5時間31分、8月12日が5時間20分。

3日連続で5時間を超えている。

これは今回の記録の中でも非常に興味深い。

中2

Cは8月10日3時間34分、8月11日3時間08分、8月12日3時間27分。

3日連続で3時間前後。

Aも8月10日3時間59分、8月11日3時間48分、8月12日3時間51分。

こちらも3日連続で3時間台となっている。

ここには、先週から観察していた「3時間」が一つの基準になっている可能性がある。

もちろん、まだ因果関係を証明できる段階ではない。

しかし、数字としては非常に興味深い。

4日間の延べ滞在時間

今回確認できた8月10日〜12日の3日間だけでも、

35時間43分+36時間39分+33時間25分となる。

合計すると、105時間47分である。

つまり、わずか3日間で、自習室には100時間を超える「学習環境への滞在」が積み重なった。

そして8月9日の日曜日にも、午前10時台から複数の生徒が利用している。

休日だから自習室が動かない、という状態ではない。

「3時間」が普通になってきている?

先週の記事では、「3時間」が基準になりつつあるという仮説を立てた。

今週もその傾向は続いている。

特に中2のCとAに注目すると、

C

3時間34分

3時間08分

3時間27分

A

3時間59分

3時間48分

3時間51分

となっている。

ここで重要なのは、

「3時間勉強しよう」と毎回意識しているかどうかではない。

実際に教室に来て、結果として3時間前後滞在する日が続いていることである。

これは「勉強時間」というより、教室に来ることが習慣化していると考えたほうが適切かもしれない。

今週、特に気になった変化

今回もっとも興味深かったのは、高1・コの動きである。

8月10日は5時間04分。

8月11日は5時間31分。

8月12日は5時間20分。

入塾して3日間で、15時間55分自習室に滞在している。

しかも8月11日は9:59入室。

朝10時前に教室に来て、そのまま5時間半以上滞在している。

これは単純な「長時間学習」の記録として見るだけではなく、「教室に来る」という行動が塾の「空気」から当たり前になってきたのかもしれない。

「空気」は本当に学習習慣を変えるのか

ここで、最初の仮説に戻る。

教室には、5〜7時間滞在する高校生がいる。

3時間前後滞在する中学生がいる。

1〜2時間利用して帰る生徒もいる。

そして、入室する時間もそれぞれ違う。

それでも同じ空間にいる。

長時間勉強している生徒がいる。

朝から来ている生徒がいる。

午後から来て、3時間以上滞在する生徒もいる。

こうした姿を毎日のように見ることで、「長時間勉強すること」が特別なことではなくなっていく。

これが、今回の教育実験で観察したい「空気」の正体なのかもしれない。

もちろん、現時点では「空気が原因で学習時間が伸びた」と結論づけることはできない。

家庭環境、本人の意欲、受験への意識など、さまざまな要因がある。

だからこそ、今後も入退室記録を続ける。

今週の結果

8月9日から12日までを見ると、少なくとも次のことは確認できる。

① 朝から自習室を利用する生徒がいる

② 5時間を超える長時間利用が複数日続いている

③ 中学生にも3時間前後の利用が継続している

④ 同じ生徒が複数日にわたって長時間利用している

⑤ 自習室全体の延べ滞在時間が非常に大きくなっている

特に、「一日だけ長時間」ではなく「何日も続けて長時間」という動きが出てきたことは、先週との比較でも注目したい。

来週の課題

次に見たいのは、

中学生の3時間前後の滞在は続くのか

高校生の5〜7時間滞在は定着するのか

高1・コの長時間利用は一時的なものなのか

自習室を利用する生徒そのものが増えていくのか

「3時間」が自習室の一つの標準になっていくのか

長時間利用が実際の成績変化につながるのか

である。

まだ結論は出ない。

しかし、数字を毎日積み重ねていくことで、少なくとも「教室で何が起きているのか」は少しずつ見えるようになってきた。

先週までの「3時間前後」という傾向に加えて、今週は、「長時間利用が継続する」という新しい変化が見え始めている。

「空気」が本当に学習習慣を変えるのか。

その答えを出すには、もう少し時間が必要だ。

だからこそ、記録を続ける。

印象ではなく、数字で追う。

これが、この教育実験の目的である。

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