合格できると思って臨んだ初受験で、不合格という結果だったことで、勉強方法を根本から変えることにしました。それとともに、祖母の一軒家がたまたま空いたので、そこで一人暮らしをすることになりました。実家と違い、一日中勉強できるので、予備校の自習室には通わず、家にこもる生活が始まりました。ちなみに、この一軒家は、司法試験が終わった後に、「若葉スクール」の教室になることになるのですが、その頃はそんなことは考えもしませんでした。
根本から勉強方法を変えて、より深く実務的な答案を書けるようにしました。裁判例集を読み漁り、学者の書いた本を読み始めました。しかし、より深く勉強しようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。それでも、今まで効率だけを考えて勉強してきたので、新しい勉強方法は新鮮で段々と法律が好きになってきました。人生で初めて勉強が楽しいと思えるようになりました。
しかし、一人暮らしになったこともあり、寝るか勉強するかの生活を続けていくと、再び昼夜逆転の生活になってきました。また、深く勉強することによって、1教科終わるのに時間がかかるようになり、試験が近づくにつれて、「間に合うのか?」という不安が頭をよぎるようになってきました。さらに外に出るのがおっくうになり、食事はセブンイレブンのお弁当を1食摂るだけになりました。セブンイレブンの弁当生活は、昨年の8月まで続いていたので、およそ10年間、セブンイレブンにお世話になることになります。私が通っているセブンイレブンの売り上げには、かなり貢献したことになりますね。
試験1か月前の4月になると、いよいよ間に合わないという不安が、マックスになってきました。そもそも新司法試験の合格者は、3000人とうたわれていました。しかし、ふたを開けてみれば、1年目は1000人強、2年目は1700人強(だったと思う)でした。このことから考えると、年を追うごとに人数が3000人に近づいてくるのではないかと思い始めたのです。結果から言うと5年目も2000人強と殆ど変わらなかったのですが。このことを私は「国家的詐欺」と呼んでいます。
そう考えると、受験をパスして、ラスト2回にかけた方がいいのではないかという思いが、試験が近づくにつれ、どんどんと大きくなってきました。そこで、節目節目に出てくる、父との話し合いを何度か開催しました。この時も父は強硬派で受験を進めましたが、私は精神的に無理だとの押し問答。結果、ラスト2回に賭けることにして、3回目の試験は回避することになりました。この時、なんでカードゲームの「ウノ」みたいに、スキップを考えなければならないのだろうと感じていました。しかも、司法試験には、当然リバースはないんですよね。あれ、何の話でしたっけ?