【国公立大学を受けることすら絶望的になる】
熊本などの地方都市では、まだまだ国公立大学志向が多いです。
とくに、親御さん・学校の先生などは、子供たちに国公立大学合格を当たり前だと思っているのではないでしょうか?
しかし、私が「大学入学共通テストの真実」の記事で書いているように、最近の入試はそう簡単にはいきません。
私は、お問い合わせの電話が来た時やご紹介があったときは、「すぐに体験授業を受けてください!!本当にこの3カ月で受けられる大学が変わりますので!!」と言います。
ともすれば、不安を煽っての営業トークに聞こえるかもしれません。
しかし、不安なのは私の方です。
ある時期を超えると、国公立大学を志望することすら絶望的になるためです。
【国公立大学受験が絶望的になるデッドライン】
では、国公立大学志望が絶望的になるデッドラインはいつでしょうか?
驚かないでくださいね。
高校1年生の冬休みです!!
この時期を超えると、もう国公立大学を受験することすら不可能になります。
ただ、例外的に浪人覚悟であれば、十分間に合いますが。
なぜ、高校1年生で決まるのでしょうか?
原因は1つしかありません。
大学入学共通テストのとてつもない難しさです。
来年以降、新課程での科目数が増えることもあります。
それ以上に、1科目ごとの難しさが想像を超えています。
理系科目・英語などは、熊本大学などの地方国公立大学の入試問題よりも難しいです。
そのため、よほどの天才でない限り、大学入学共通テスト対策に1年間を掛けなければならなくなりました。
二次試験対策に1年間かけると考えると、少なくとも2年生からは大学入学共通テスト対策に入らなければなりません。
そうなると、1年生のうちに、数学・英語はほとんど完成しておかなければならないわけです。
実際に、熊本高校では1年生のうちに数学ⅠA・ⅡBCまで終わっています。
また、それに追随するように、熊本第二高校でも数学ⅠA・ⅡBまで終わる勢いです。
では、実際の生徒は、このペースに付いていけるのかと言えば、半数以上が付いていけてないでしょう。
驚くような話ですが、熊本高校生の3分の2ほどが、衛星授業の予備校に通われています。
少なくとも、年間60万円程度はかかっているのではないでしょうか。
2週間前に大手予備校から転塾された生徒さんも、半年で30万円以上かかったと言っていました。
話を戻すと、要するに高校1年生の終わりの段階で面談に来られた生徒さんに、「今から毎日8時間勉強しないと、現役で熊本大学へは合格できないよ。それができなければ、私立大学に絞った方が良いのでは?」という話になるわけです。
【当塾での現状】
2024年2月29日現在の話ですが、当塾の2年生3人には、「国公立大学合格は、もう無理だと思ってくれ!!」と言っています。
また、高校1年生の生徒さんのお父様には、「熊本大学は合格できません!!」と言っています。
いずれの生徒さんも、部活に入っており、毎日の勉強時間(学校の課題を含めない時間)をコンスタントに4時間以上取れないためです。
他の予備校ならば、「大丈夫、大丈夫!!文武両道、結構、結構!!」というかもしれません。
生徒を失いたくはないからですね。
ただ、学校・予備校の先生方も、無知でこのようなことを言っている可能性もあります。
こと熊本県においては、私のように「大学受験には4年間が必要!!だから、先取学習が必須です!!」と言っている先生方を見ないからです。
逆に、当塾で2週間前に入られた高校2年生の生徒さん、冬休みから入られた高校1年生の生徒さんは、私立大学を目指しています。
これらの生徒さんは、早慶・march・関関同立への合格可能性は十分にあります。
2名とも、部活には入っておらず、長時間勉強をできるからです。
ほとんど力がなくても、毎日10時間勉強をすれば、1年間で少なくとも関関同立への合格は可能です。
【私立大学での学費・生活費問題】
「私立大学が合格しやすいことは分かった。しかし、学費や生活費が払えるかどうか・・・」と考えられるでしょう。
しかし、仮にお子様が浪人されたらどうでしょうか?
予備校代に100万円近くかかってしまう可能性があります。
現役で私立大学へ合格された方と、学費はほぼ同じ金額になります。
浪人されて不合格の場合もあります。
この場合は、100万円余計にかかってしまうわけです。
では、生活費についてはどうか?
関関同立以上の大学に入れば、入学当日から塾講師・家庭教師の募集があります。
当塾の卒塾生で、明治学院大学・立命館大学に行かれた生徒さんは、ほとんど生活費はそれで賄っております。
明治学院大学の生徒さんは、月に20~30万円稼いでおりました。
学費が足りないのであれば、利息なしの奨学金を借りることをお勧めします。
「奨学金は借りない方が良い」という風潮がありますが、関関同立以上の大学を出ているのであれば、普通に良い企業に入れます。
10年以内に余裕で返せますよ。
奨学金で苦しんでいるのは、手取り13万円程度の会社にしか入れなかった方か、私のように仕事をせずに資格試験の勉強を30代後半までやっている方です。
【大学受験受難時代での高校選択】
これほど国公立大学合格が難しいとなると、高校選択の方法も変わってきます。
それによって、高校受験の勉強法も変わってくるのです。
難関大学に合格したいと考えるならば、中学生の間に高校1年生までの数学・英語はやっておくべきです。
国公立大学合格を目指すならば、先ほど書いたように4年間は必要だからです。
成績の良い生徒さんならば、熊本高校は合格して当たり前、通過点です。
では、成績が熊本高校に満たない生徒さんは、どのように難関大学を目指すべきでしょうか?
やはり1年間の先取り学習をしておくべきです。
これは、必須条件です。
「高校受験はどうするの?」との疑問が聞こえてきそうですね。
極端な話をすれば、「高校受験はどうでも良い!!」と考えています。
熊本県の高校至上主義からすれば、「何をとんちんかんなことを言っているのか?」と思われるでしょう。
しかし、熊本高校以外の高校は、全部似たり寄ったりです。
何が似ているかと言えば、「課外授業・課題」のオンパレードです。
要するに、熊本高校は自由なだけで、他の高校は不自由なだけです。
自由であれば、自分の勉強が自由にできます。
不自由であれば、課題や課外授業に追われ、自分の勉強はできません。
どんどん熊本高校との差が離れていくだけです。
そのため、高校はどこでも良いのです。
自分の勉強は独学か塾・予備校等に通ってすればよいのです。
【大学受験受難時代での中学生の勉強方法】
また、数学・理科は得意だが、国語・社会はできない、またその逆の生徒さん、総合成績は上がらないですよね。
不得意な科目があれば、成績が良い高校へはいけません。
逆に、私立大学を狙うのであれば、自分の得意な科目を活かして、みんながうらやむような大学へもいけるのです。
新教育課程になり、中学の勉強内容に、従来高校の範囲の内容が入ってきています。
しかも、英語に関しては、教科書の文章が難しく、高校で習うような難単語も出てきます。
英語は、良い私立大学に入りたければ、避けては通れません。
しかし、文系ならば理科・数学、理系ならば国語・社会は大学入試では使いません。
それでも、数学が苦手なお子さん、国語が苦手なお子さんに、点数を上げろと言えますか?
私はそのような生徒さんを見ていると、「都会では、効率的にやっているのになぁ・・・」と、かわいそうに思えてなりません。
中高一貫校に行っている方は、中学生から文系・理系3教科しかやりませんからね。
熊本第二高校・東稜高校などが、「選択肢を広げるために、国公立大学を目指せ!!」と言いますが、半数以上の生徒があまり知られていない私立大学に進学します。
高校1年生から、私立大学の道もあると教えていたならば、もっと良い私立大学に合格できるはずです。
選択肢を広げるどころか、逆に狭めているのですよ。
それだから、いつまでたっても「熊本高校1強時代」は続きます。
熊本高校では、親御さんが早慶出身の生徒もいます。
そのようなご家庭では、1年生から3教科入試に絞って受験されているのをみなさん知らないでしょう。
そうでなければ、毎年立命館大学に50人も合格しませんよ。
みんな、立命館大学でも将来を考えるとコスパが良いと思っているからです。
しかし、他の公立高校・私立高校は、私立大学受験を目の敵にします。
早慶に40人ほど合格させる学校にすれば、とくに私立高校はこの少子化の中でも生きていけるはずなのです。
少なくとも、私の塾ではそのようにしていきます。
【当塾で先取り学習をされた実例】
当塾でも、開塾して以来、初めて先取り学習を行った生徒さんが、高校に合格されました。
東稜高校(理数科・前期)合格です。
この生徒さんは、中学2年生に入会されて、3年生の5月ごろに中学の数学・英語を終えました。
熊本第二高校の理数科を狙っていましたが、同時に高校の勉強も始めたため、中学の勉強に興味を示さなくなりました。
そのため、数学は高校数学1Aまで進んでおり、春期講習からは数学Ⅱに入ります。
なぜ東稜高校かというと、中学の勉強を全くしなくても合格できるので選んだだけです。
また、同校が他の高校よりも若干課外等が緩めなのも決め手でした。
さらに、先取り学習をしているので、定期テストも良い順位を取ってくるでしょう。
そうすると、総合型選抜試験で合格ということもあり得ます。
熊本第二高校では、そう簡単には候補に選ばれません。
とにかく、良いところだらけです。
この生徒さんは、東京科学大学(現東京工業大学)を目指します。
長々と書いてしまい、すみません。
最後まで読んで頂いた親御さんに再度問います。
「それでも、国公立大学を目指しますか?」