H31 私の考える「先取り学習」とは

塾の紹介

当塾は、今年度から方針を変えて、「先取り学習」を行うようにしました。このようにしたのは、昨年度から本格的に高校1年生を指導するようになって、先取り学習の有効性を感じたからです。そのため、これを小・中学生にも行うように決めました。小中学生にも、より高みを目指して欲しいためです。

ところで、「先取り学習」と聞いて、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?「公文式」のように、数学・英語などをどんどん進んで、中学生の段階で高校生の数学・英語まで進でいくこととイメージされる方が多いと思います。しかし、これは私が考えている「先取り学習」とは異なります。

私の考える「先取り学習」とは、小学生は4教科、中学生は5教科全てを先取りすることです。そして、先取りは半年先までしか行いません。具体的に言いますと、夏休みまでに学年全ての科目を先取りすることです。確かに、「公文式」のように好きな科目をどんどん進むのは、生徒さんも楽しいですし、検定等を受けることによって勉強のやる気にも繋がります。しかし、このやり方には、かなりのリスクを伴うことも知っておいて欲しいです。

当塾でも「公文」で勉強して、数学を高校生までやっている生徒さんが数人おりました。しかし、いざ中学生の問題を解かせると、あまりいい点数を取れません。高校まで数学をやっているということは、中学生の数学は定期テストでは50点を取れて当たり前です。しかし、40点台前後しか取れないのです。

どうしてこのようなことが起こるかと言えば、ただ先に進んでいるだけで、内容の理解が十分にできていないからです。また、好きな数学・英語に時間を割いたことで、他の科目を疎かにしているので、それらの科目が苦手、さらに言えば嫌いになってしまう生徒さんもおります。さらに、「公文」で勉強された生徒さんは、特に数学ですが、計算過程をすっ飛ばして、暗算で行おうとする方が多いです。そのため、計算は早いがメチャクチャ間違えるという傾向にあります。おそらく、先に進むことだけが目標になって、計算過程を先生方もあまり見てないと思います。このような生徒さんが入塾されると、これを修正するのにかなり時間がかかるんですね。

そのような「先取り学習」は、本当の意味での「先取り学習」とは言えないと考えております。当塾が行っているのは、数学を例にしますと、まず1単元の教科書・数学カードを全問解いて頂きます。もう1度繰り返した後、次の単元の教科書・数学カードをやって頂きます。同じように、もう1度繰り返して頂きます。その段階で、正解率が8割に達しない生徒さんには、さらにもう1度やって頂きます。つまり、ただ進むだけではなく、1単元を完璧にできるようになって初めて先の単元に進むという方法です。目的は、定期テストで50点を取って頂くことなので、あやふやなままでは、先に進んでも意味がありません。つまり、漆塗りのように何度も戻って復習をしながらの「先取り学習」です。このように先取りをした後は、余裕があるので、熊本高校等を目指される生徒さんには、さらに難しい問題集をやって頂きます。

順調に進んでいくと、中学3年生になる前に数学は全て終わります。3年生の間は、とにかく演習をこなしてもらうことになります。高校生の勉強に進むことはありません。年齢にあった勉強内容を国が指定しているので、その範囲で頭を使わなければ、本当の力は付かないんですよね。例えば、小学生であれば、中学の方程式等を教えれば簡単に解ける問題があります。しかし、それを使わずに小学生の知識範囲で頭を使わないと、中学生になって頭を使えなくなってしまいます。このような理由で、小学生は小学生の範囲で、中学生は中学生の範囲で勉強していくことが必要なのです。ただ唯一例外なのが、国語・英語です。これらは他の教科と違って小中高とつながりがあります。そのため、先に進んでも問題はありません。特に、熊本県公立高校入試は、数学・英語が非常に難しいです。数学は50点を取れないように作られています。しかし、英語は頑張れば50点を取れます。そのためには、高校レベルの単語ぐらいは知っておいたほうが良いと思います。

検定等に関しては、当塾ではあまり勧めておりません。ただでさえ定期テストの勉強で上位を取るためには大変なのに、それに検定が加わると、生徒さんの意識が散漫になってしまいます。よく内申書を上げるために検定は受けたほうが良いと言われることが多いですが、上位校を受験される生徒さんは全く関係がないと思ってください。実際、私も中学3年生の時に腕試しで受けた英検3級を取った後は、全く検定試験を受けておりません。

最後に、「先取り学習」を一度始めたならば、途中で辞めてはいけません。きつくてもやり進めることが必要です。一度辞めてしまったら、それまでの先取りが無駄になり、2度手間となってしまうからです。

以上は、あくまで私の考える「先取り学習」です。「公文式」のような形で成功している生徒さんもいると思います。一つの意見として考えて下されば、幸いです。

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