今日は昨日と全く逆のお話です。皆さん、失敗や挫折をしたことがありますか?昨今の塾生に聞くと、「したことがない。」と大半の生徒は言います。これは由々しき問題です。高校3年生は、少なくとも17年は生きているわけです。その17年間で、まったく挫折がなかったとは考えられません。挫折がないといわれる生徒さんは、よっぽど努力をしていないか、または、自分が挫折していることにも気づいていないのでしょう。挫折だらけの人生の私からは、到底考えられない話です。
今年の受験で象徴的な出来事がありました。一人は中学生、一人は高校生です。中学生の生徒さんは、夏休み前までは東稜高校志望でした。しかし、大学に行きたいのならば東稜高校には行ってもらいたくなかったので、私立高校をメインに考え、チャレンジ校として四高を目指すように言いました。私立高校に合格し、チャレンジ校は不合格。もともと高校でも当塾に来る予定でしたので、私の中では予想内の出来事です。また、生徒さんにも、「チャレンジ校合格は5分5分」と言っていましたので、何もダメージはないだろうと思っていました。
しかし、先日電話があり、高校では塾に来ないということ。金銭的な問題もあるでしょうが、週に1コマは来る予定でした。本人に代わってもらったところ、「公立高校に落ちたことで、何かやる気が失せた」と。お母様の話では、不合格の日泣きながら電話をしてきたということでした。私が真っ先に考えたのは、「泣くほど勉強したか????」です。
次は高校生の話です。一昨日、最後の大学合格発表が終わり、結果を待ってました。しかし、1日経ち昨日になっても報告がありません。こちらから電話すると、お母様が対応していただいて、「落ちてました。本人は落ち込んでいて、少し時間が欲しいみたいです。」とのこと。なんでも、友人が殆ど熊本学園大学に合格しており、浪人するのは自分一人なので落ち込んでいるようでした。
いやいやいや、受験前から今年の合格は難しいので、来年のための練習として受験しようという話だったではないかい?しかも、熊本学園大学を受験しなくてよいかと聞くと、行きたくないといって願書を出さなかったのは自分の判断でしょう?確かに、気持ちはわかりますよ。私も、大学受験で東京に泊まっていた時に、友人から「中央大学に合格した!!」と聞いた時には、自分も受けとけばよかったと思ったことを強烈に覚えています。かろうじて、早稲田大学に合格できたので良かったのですが。
本当の人間の強さというのは、どうしようもない挫折を味わった時の行動で分かります。この2人の生徒さんは、学校の成績・スポーツ活動等を本気でやってこなかったので、挫折していてもなにも感じなかったのだと思います。そして、今回不合格という「明らかな失敗」を突き付けられたわけです。日ごろの生活から、目標を持って頑張っていれば、かなりの数の挫折・失敗を味わうと思います。それを経験していなかったので、挫折・失敗の耐性がなかったのです。
この挫折・失敗をどう生かすかで、今後の人生が変わってきます。それでつぶれてしまうのか、なにクソ精神で新たな目標を立てて、先に進むのか。さて、この2人の生徒さんは、どちらの道を選ぶのでしょうか?