【連戦に耐えられる頭脳体力が必要】
さて、Mに課した課題とは、「中央大学全学部統一」の模擬試験もどき。
つまり、上記問題を、国語・英語・日本史の3科目一気解きである。
前々日からMの体調は悪かった。
そのような中、前日は明治大学過去問の英語を、頑張って1科目解いた。
ホッとしているところに、いきなり予告なしに1日で1年分を解くのだ。
しかも、全く見たこともない併願校の中央大学。
Mは「マジっすか・・・」と言う顔で一応ファイティングポーズは取った。
私がこの選択をしたのは、ただの気まぐれだ。
実際、10日間に及ぶ本試験の連戦を考えて、「今日、いきなり解かせたら、どのような結果になるのであろうか!?」という興味本位である。
ある意味、Mの「頭脳体力抜き打ちテスト」と考えてもらえればよい。
勉強を長期間通じてやるには、この「頭脳体力」が必要だ。
特に、疲れが出ている中で、どのように気持ちをコントロールして、最低限のレベルをクリアするか。
ましてや、10日間に及ぶ連戦に、どのように気持ちを立て直しながら挑むのか。
Mは、この課題を与えたときに、やる気をなくして適当に解くタイプか。
それとも、その場の全力を尽くすタイプか。
Mにとっては地獄だろうが、私の興味は尽きない。
今まで数々の塾生に無茶ぶりをしてきた。
やらないという選択肢を選んだ生徒もいる。
この関門は、Mは一応クリアした。
あとは、どのような気持ちで課題をクリアするかだ。
ちなみに、私だったら、やらない選択肢を取るだろう。
それを生徒に強いるので、まさに鬼の所業だ。
とりあえず、Mは放っておいて、淡々と他の生徒との授業をこなす。
この日は、クマタカを目指している生徒の、「第5回過去問模試」も重なっていた。
ついに、12年前にクマタカに3点差で落ちた「ワカスク・レジェンド」との直接対決。
こちらも見逃せない。
どちらも、気になるところだ。
Mが、「解答どこにありますか!?」と夕方ごろに聞いてきた。
「もう3科目終わったの!?」と聞くと、「いえ、英語が終わったので採点してみようかと」と。
「あのね、本試験では途中で採点は入らないでしょう。採点は3科目終わってから!!」というと、Mは席へ戻った。
まだ、1日で1年分の過去問をする意味が分かっていない。
まぁ、今年の2月まで本当の勉強をしてこなかったので、当たり前と言えばそうなのだが。
できたか、できてないかの不安を抱えながら、次の科目を否が応でも受けなければならないのが本試験。
その練習をしているのだ。
Mが全科目解き終わったのは、夜9時ごろ。
やっと採点に入った。
中央大学は、明治大学と異なり、大問ごとの配点が書いてある。
そのため、ある程度正確な点数がでる。
結果は、英語75点(150点中)、国語52点(100点中)、日本史50点(100点中)。
合計177点。
なんとか5割は超えた。
最低合格点を調べると、偏差点ではあるが、199.2点。
単純に考えると、あと20点だ。
予告なしの初見問題で、初めての1年フルの試験。
上々の結果だ。
ただ、その時点では、まだ最低合格点が分からない状態だったので、Mはただただ疲れて、帰路についた。
そして、新しい週が始まった。
月曜日、Mとの昼12時からの5時間の過去問精読セッション。
週の始まりが、いきなりの5時間対面授業。
というか、辞書を引き引きの学習会。
Mがおとなしかったので、「どうした!?勉強が嫌になったか!?」と聞くと、「いつもの軽い波です。少し気分が落ちている状態です。」と。
このような時こそ、「頭脳体力」が試される時。
なんとか5時間やり切ったが、私の方が「頭脳体力」がなくなってしまった。
夕方なので、生徒もちらほらやってきた。
塾の本番はこれからなのだ。
Mが、「今日は、過去問解きませんよね!?」と聞いてきた。
それが不安で、気持ちが落ち込んでいたのだろうか。
「続けて3日はしないよ!!」というと、Mの顔が若干ほころんだ。
しかし、11月に入ってからは、過去問を1日に何科目かは解くことになる。
それは、重々Ⅿも承知しているとは思うが、この瞬間は忘れているのだろうか!?
とにかく、Mの受験勉強も最終章に入ろうとしている。
本当の地獄は、これからである。
10月26日 勉強時間 3.5時間
英語 3.5時間
2024年中央大学全学部統一
国語52点 英語75点 日本史50点
合計177点(合格最低点199.2点「偏差点」)
10月28日 勉強時間 7.5時間
英語 7.5時間
2024年明治大学商学部 授業 5時間 「ポラリス英文法2・3」
仮定法(2)、受動態 3周目 2時間
「THE ESSENTIALS」 0.5時間