前回から、かなり時間が経ちました。何とか今年度中には書き上げたいと思っております。
さて、晴れて経理として大手葬儀社で働き始めました。今回は、前回の会計事務所と異なり、無駄口は一切たたかず、黙々と仕事をすることに決めていました。どうしても、30代で結婚したかったので、会社に勤めていることが必須条件だと思ってました。しかし、今考えてみると、手取り13万で結婚したいという女性はいなかったのではないでしょうか。まぁ、中途採用の中年オッサンなので、このご時世それぐらいの給与も致し方ないのですがね。
朝7時に出社し、1時間の掃除。8時から就業開始で、夕方5時に終了。ちなみに言うと、就業時間前の掃除等は、法的には時間外労働に当たるんですよね。サラリーマンの方は、当たり前にやってるのかも知れませんが。
始めは、会計事務所同様、経理の仕事はできず、色々な雑務を手伝いました。ここでも、私の不器用さが遺憾なく発揮されましたね。例えば、葬儀があるときは「何々様」という看板を、葬儀社への案内として作らないとならないんですよね。その「何々様」という看板を作るには、その字が印字されたシールを作って、看板に張らなければならないんですよ。この、シールを剥がすことも、空気が入らないように貼ることも、なかなかうまくいきませんでした。そのたびに作り直さなければならないので、そのたびに苦い顔をされました。私にはかなり難しい作業なのですが、普通の人ならばできるんでしょうかね。
そのほかにも、葬儀場の清掃、備品の整理、電話対応などです。とくに電話対応は、苦労しましたね。かかってくる相手は、ほぼご不幸があった方。元気よく電話に出てはいけないんですよ。しかも、「はい、何々葬儀社です」の「はい」は絶対言ってはダメだということ。これが高倉健なみに不器用な私は、なかなかできなくて怒られることもしばしば。
まぁ、それは私のスキル不足なので仕方ないですよ。今回は黙々と仕事をしようと考えていたので、何を言われてもこらえていました。ただ、かなり年下の先輩が、あまり話さない私を下に見たのか、馬鹿にしたような態度をとるようになりました。一番最たるものが、朝自分の机を見ると、焼きそばや菓子パンの食べ残しなどが、ゴミみたいに置いてあったんですよね。タイミングの悪いことに、支店長とその上の上司が来てしまって、「なんだこのゴミは!!お前は片付けもできないのか!!お前はゴキブリか!!トイレの便器を舌で掃除しとけ!!」と言われましたよ。そこに真犯人の年下の先輩もいたんですが、ニヤニヤして自分がやったとは言わなかったんですよね。「なんだこの会社は」と思いましたが、口答えしないように決めていたので、「すみません」と言いましたよ。このエピソードを塾生に話したもので、生徒から「ゴキブリ」とか「ゴキ塾」と呼ばれるようになったんですよね。
他にも、葬儀中であるにもかかわらず、その年下の先輩がへまをしたことで支店長がぶち切れして、倉庫に連れていき殴る蹴るの暴行。支店長の機嫌が悪いと、カッターナイフが顔すれすれを飛んできたりと、無茶苦茶です。この人たちは、本当にお亡くなりになられた方を悼む気持ちがあるのかと疑問に感じてきました。
そして、事件は起こりました。