H27 教科書を読ませない先生・・・・

勉強方法 総合

中学1年生から来て頂いている、勉強嫌いな生徒さんがいます。数学が苦手だったので、まずは計算ができるように、小学校5・6年生から復習をして頂きました。2年生になって、やっと成果が出始め、1ケタだった数学の点数が20点台まで上がりました。数学に自信を持ち始めたことで、英語・社会もやりたいと言い出しました。夏期講習に参加しておりますが、「若葉式式勉強法」で社会の教科書の読み込みを始めて頂いております。

そんなやる気が出てきた生徒さんですが、先日学校の2者面談があったようです。社会はどのように勉強しているか聞かれ、「教科書を読んでいます。」と答えました。「教科書は重要なので良いことですね。やる気が出たね。」と私が先生ならば答えます。しかし、返ってきたのは耳を疑うような先生の言葉です。「教科書なんか読んでも意味がない。とにかく、書いて覚えろ。」との言葉でした。しかも、かなりしつこく「教科書は読むな」と怒られたようです。

日ごろから学校の出す宿題等について、「方向性が間違ってるなぁ」とカチンとくることが多いのですが、今回の先生の言葉には、かなり腹が立ちました。教科書をもとに授業をしている先生が、教科書を読むなとはどういうことですか!?書いて覚えろとおっしゃっても、具体的に何をどのように書いて覚えるのですか!?私にはまったく理解ができません。

当塾が行っている「若葉式勉強方法」では、私が線を引いた教科書をもとに、生徒さんには「消えるマーカー」で線を引いてもらっております。それをシートで隠して、教科書を読めるようにしてもらいます。簡単に言えば、教科書を問題集に変えるわけです。「そんなこと、もうやってるよ。」と言われる生徒さんもいるかもしれません。ただ、「若葉式勉強方法」が他と違うことは、重要な所だけをマークしてもらうだけではないことです。たとえば、「武士や農民の不満が高まって、~の改革が始まった。」という文章があったとします。「~の改革」をマークするのは当たり前です。それに加えて、当塾では「武士」「農民」にもマークしてもらいます。「~の改革」が起こったのは何故かを考えるためには、誰の不満が高まったのかを覚えなければ意味がありません。

このように、教科書を理解するということは、重要なワードを覚えるだけでなく、その前後にある理由・結果を理解しなければ、本当にそのワードを覚えたとは言えないのです。前述の先生がおっしゃった、「書いて覚えろ」とは、多分ワーク等を使って、重要なワードを書いて覚えろということだと思います。しかし、これではワードを「点」で覚えるただけで、「線」で覚え理解したことにはなりません。

以前、私立高校入試1か月前に入塾された生徒さんがいました。当塾に来られる前は、熊本で1・2位を争う大手塾に通われていて、共通テストでも熊本第一高校レベルの生徒さんでした。私立高校の社会の問題を解いて頂いたところ、たまたま「関ヶ原の戦い」と間違った答えを書きました。私が、「どうして、せきがはらの戦いと思ったの?」と尋ねたところ、「これ、まきがはらの戦いと読むのではないですか?」と。驚いて、試しに他の用語を読んでもらったところ、ほぼ間違っておりました。その大手塾では、全て漢字で書くように指導され、1問1答形式でワードだけ覚える勉強をしていたようです。結果、漢字も読めず、時代もぐちゃぐちゃになっていました。これは、社会を理解したとは到底言えません。

確かに、社会の教科書は、1年生の範囲でも難しい漢字・言葉が使われ、読みづらいです。しかし、その難しい言葉を理解していくことで、国語の読解力の向上にもなるのです。先日、勉強嫌いの生徒さんが、「密接って、どんな意味なの?」と聞いてきました。説明すると納得して、次に進んでいきました。私は常日頃から、「教科書が理解できないようならば、国語の文章読解なんかできないよ」と言っております。教科書を勉強と思わず、読み物として楽しんで欲しいですね。

そこで、前述の先生の話に戻ります。その生徒さんの担任の先生だけが特別なのだろうと思っていると、2人の生徒さんも先生から「教科書は読んでも無駄」と怒られたと言っておりました。中学生の言うことですので、全て本当のこととは思いませんが、少なくともそのような先生がいるということは確かです。そして、少人数の当塾でも、3人の生徒さんがそのような経験をされているということは、かなり多くの先生がそのように考えておられることが推測されます。そのような先生に問いたいです。教科書をもとに授業をしているのに、どのような理由で教科書を読むのは無駄とおっしゃっているのですか!?教科書を読まない勉強方法を、具体的に教えて頂きませんか!?ご自身が中学高校生の時は、教科書を読まずに勉強したのですか!?本当に腹が立ったので、長々と書いてしまいました。ただ、教科書を軽視する先生は、私は教育者と認めたくないですね。

タイトルとURLをコピーしました