【成功後の次の一手】
いつも半そで半パンで、行動している私は、ご近所様にどう見られているのか分からない。
しかし、この時期、あれやこれやで頭がいっぱいになる。
そう、2歳の息子、武蔵坊の幼稚園・保育園問題、いわゆる「保活」問題だ。
じゃなーい!!
中学生・高校生の過去問コピー、過去問採点、過去問質問、過去問うんぬん・・・
とりあえず、過去問に振り回される日々がやってきた。
「ただ、過去問を順番に解かせれば、イン・ザ・スカイ!!」と考える人もいるだろう。
そう単純なものではないのだな。
これが!!
例えば、先日正答率68%をたたき出したMの例を見ていこう。
フェーズを上げて、2日に1回のペースで過去問を解くことにしたばっかりに、次に何の問題を解かれるのかに頭を悩ませる。
「明治大学物語だから、明治の過去問だろう!!」と簡単に言うなよ。
明治大学の中にも、たくさんの学部・学科があり、英語であっても、それぞれ試験時間・設問数・難易度が異なるのですよ。
一昨日、「正答率68%」を取ったのは、商学部の問題。
Mの第一志望は、経営学部。
1学部だけでは心もとないので、商学部・全学部統一を受けるのだ。
全学部統一とは、1回の試験で、全ての学部に併願できる試験で、Mとしては、ここで経営学部・商学部のどちらかを確保しておきたい。
経営学部の問題が、残り2問あったので、まずはそれからつぶそうと考えた。
一応、前日にMにも伝えておいた。
しかし、当日になって、「経営学部の問題でいいのか!?」という疑問が出てきた。
「正答率68%」という「成功後の次の一手」。
これがかなり難しい。
正直、次も高正答率を取れるとは思わない。
多分、落ちるであろう。
しかし、落ちるとしても第一志望の学科よりも、ダメージの少ない方が良い。
そこで、直前に「全学部統一」に、問題を差し替えた。
試験時間は、経営学部が70分、商学部が80分、全学部統一が60分だ。
初めての試験形態で、試験時間も一番タイト。
これならば、もし正答率が50%を切るようなことがあっても、「初物だからね」で終わらせられる。
このように、過去問1つを受けさせるにしても、かなり繊細に私は考えている。
高校入試の過去問もそうだ。
5科目受ける生徒ならば、今何の科目をした方がいいのか、手付かずの科目はいつから始めるべきか、どうやって入試本番にピーキングを作るかなど、悩みが尽きない。
多分、私がこのように日々頭を悩ませながら、その日にさせる科目を考えているとは、生徒たちは夢にも思わないだろう。
「私が寡黙なだけに・・・」
はい、滑ったところで、もう一つ。
クマモトでは、中学3年生には大きなイベントがある。
そう、これが世に言う「熊本県共通テスト」だ。
塾・学校・保護者が一体となって、この試験を盛り上げていく。
そして、学校では、この試験の結果をもとに、志望校を決定するのだ。
私は当の昔に、この変な「催し物」からは撤退している。
なぜならば、この試験、10月末に行われるにもかかわらず、出題範囲が3年生の1学期まで。
これで何が判断できる!?
3年生の2学期・3学期の方が、数学も英語も重要な個所を学ぶ。
進路を1学期までの成績で決める!?
明らかにおかしい。
しかし、塾も学校も保護者も、この行事にすべてをかける。
塾などは「共通テスト対策」と銘打って、3日間ほど過去問を解かせて、申し訳程度の解説で、3~4万円程度の暴利をむさぼる。
うちの塾なんか、たとえ過去問対策をやってもタダ、しかも過去10年分はやらせると思う。
しかし、やらない。
ピーキングがここで頂点に達すると、次に待っているのは落ちることだけだ。
そのため、最低数学・英語を終わらせている私の塾は、あえて私立高校の過去問をやっている。
共通テストは、ぶっつけ本番でやらせる。
当然、あまり良い成績は取れない。
ここで生徒は、「頑張らなければ!!」と奮起する。
そして、私立高校・公立高校入試へとピークを持っていくのである。
もし仮に、共通テストで良い成績を取ったとする。
その後の私立高校・公立高校の比べ物にならない難しさに絶望感を覚える。
もちろん、実力は上がっていても、試験が難しいので、共通テストほど点数は取れない。
これは、無理だと、変な自己暗示をかけだす。
このサイクルを、私は何度も見てきている。
それだけに、1回ごとの問題選定にも、神経を使う。
Mの話に戻ろう。
このように全学部統一の問題を突き付けられたMは、少し困惑していた。
「まぁ、初物だから、あまり点数は気にせずに、自分のペースで気楽にやって!!」と言っておいた。
結果は、60分の時間内に終わり、正答率55.8%。
なんとかうまく乗り越えた。
Mは少し不満そうだったが、実際今の実力を反映していると思う。
この正答率を維持していくことが、合格へのカギだ。
決して高正答率を取ることではない。
上ブレも下ブレもしない状態。
これがベストなのだ。
その恩恵として、時々80%の正答率も出てくる。
それが本番で出てくれることを祈るだけ。
その後、「ジャンプアップ古典文法」「ジャンプアップ古文読解」をMに渡した。
古文は、最後の1カ月しかできないと思っていた。
しかし、予想よりもMの成長が著しいので、古文も本格的にやることにした。
合格ラインに行ければよいではなく、確実に合格するための準備だ!!
10月16日 勉強時間 6時間
(1)日本史探求 3時間
「日本史探求1問1答」(山川出版) 3時間
(2)英語 3時間
「ポラリス英文法3」
倒置・強調構文・省略 2周目 1時間
2024年明治大学全学部統一
43問中24問正解 正答率55.8% 2時間