

まずは、「旧帝大・一橋大・東京科学大」から見ていきます。
熊本高校が合計77名、済々黌高校が合計42名となっています。
ただ、済々黌高校は、九州大学の合格者数が、昨年よりも10名減少となっているにもかかわらず、熊本高校との差は変わりません。
京都大学・大阪大学・北海道大学・東北大学の合格者の増加が目立ちます。
つまり、九州大学より上位の大学の合格者が増えています。
熊本第二高校と熊本第一高校を比べると、昨年は9名と10名で熊本第一高校に軍配が上がりましたが、今年は11名と4名と一気に熊本第二高校が逆転しました。
これは、九州大学の合格者数が影響しており、誤差でしかないと思います。
次に見る、私立大学の合格者数を考えると、難関大学への合格という面では、昨年も述べたように、熊本第一高校が熊本第二高校を超えたといってもよいと思います。
熊本北高校・東稜高校については、安定の数字ですね。
私立高校に関して言えば、やはり真和高校の独り勝ちです。
そもそも、人数が少ないこと、医療関係への進学が多いことを考えると、公立高校を含めても、熊本高校・済々黌高校に次ぐ位置にあります。
次に、「筑波・お茶の水・千葉・神戸・横浜国立」です。
昨年のこのレベル帯は、熊本高校12名、済々黌高校9名、熊本第二高校3名、熊本第一高校1名でした。
今年は、同順で18名、11名、8名、2名と合計で14名も増えています。
熊本高校は、千葉大学が5名と、昨年の0名から一気に増えました。
昨今のYouTubeでは、大学進学系のチャンネルも増えております。
そこで上位に挙がるのが千葉大学なんですね。
このような情報をキャッチして、千葉大学の合格者数が増加したのだと思います。
私も、教育系のYouTubeは、毎日1時間以上ラジオ感覚で聞き流しています。
千葉大学が、このように有名だとは、それまで知りませんでした。
また、神戸大学の合格者数が、昨年度の8名から12名に増加しています。
とくに、前回0名だった熊本第一高校が1名となり、前回1名であった熊本第二高校が2名となりました。
熊本高校も、3名から5名に増えています。
神戸大学は、学部によっては九州大学を超えており、とくに経済学部・経営学部については、伝統的に強いです。
また、大阪公立大学の人気で、受験者が神戸大学と2分される可能性もあります。
今後は、入りやすい大学になるかもしれません。
最後に、「岡山・広島・熊本」です。
このゾーンからは、熊本北高校・東稜高校・真和高校以外の私立高校も参戦してきます。
まず、気になる県立上位4校です。
熊本高校58名、済々黌校108名、熊本第二高校55名、熊本第一高校55名です。
昨年は、同順で、71名・128名・60名・51名でした。
上位3校が、軒並み合格者数を落としている中で、熊本第一高校だけが4名増加しました。
まずは、熊本大学の合格者数を見てみましょう。
熊本高校は、46名と昨年の62名から16名減少。
済々黌校は、100名と昨年の107名から7名減少。
熊本第二高校は、52名で昨年の52名と同じ。
熊本第一高校は、49名と昨年の47名から2名増加。
次に、広島大学を見てみます。
広島大学は、教育系が強く、学校の先生になりたい方に人気です。
熊本高校は、11名で昨年7名から4名増加。
済々黌校は、7名で昨年21名から14名減少。
熊本第二高校は、2名で昨年8名から6名減少。
熊本第一高校は、6名で昨年3名から3名増加。
以上のことから考えますと、済々黌校・熊本第二高校は、広島大学の合格者減少が、このゾーンの合格者数の減少につながったと考えられます。
逆に、熊本高校は、熊本大学の合格者減少が、すべての原因です。
推薦入試で、熊本第二高校・第一高校の合格者数が増えているとしても、それは熊本高校も同じはずです。
上位大学を受けて落ちた生徒が多いのか?
しかし、今は全国的に現役合格者数が9割近くのご時世です。
つまり、浪人生は1割しかいないのです。
このことから考えても、あまり無理をするとも思えません。
ここで一応の総括をしておきます。
熊本大学を最低ラインとして考えると、熊本高校は180番、済々黌高校も180番まで、熊本第二高校は100番、熊本第一高校は90番に入っていないと難しいということになります。
私が常日頃から言っているように、熊本高校でさえ半分以上が熊本大学にさえ合格できないのです。
さて、これでも高い塾代を払い、長時間勉強をして、「四高」に入りたいですか?


次に私立大学に移ります。
まずは、「早慶上理」のゾーンです。
初めに驚いたことは、上記の高校全てを合計しても、67名しか合格していないことです。
マリスト学園高校、熊本学園大学付属高校が既卒者まで含んでいることを考えると、もっと少ないのではないでしょうか。
昨年も同じような人数でしたが、今年は熊本高校が4名減、熊本第二高校が1名減の0名となっております。
逆に、熊本第一高校は、昨年の0名から4名に増加しております。
また、真和高校も昨年と変わらず、11名の合格者を出しています。
早稲田大学は、熊本高校は12~13名で安定しています。
しかし、濟々黌高校も昨年11名、今年も9名と熊本高校と引けを取らない結果です。
この2校は、指定校推薦を持っているはずなので、これだけ少ないと、合格者は推薦合格だけではないかと思われます。
つまり、一般入試では合格者を出していないということです。
私の時代は、私も含めて一般合格者が知っているだけでも、15名ほどいました。
なぜこのように合格者数が下がってしまったのでしょうか?
考えられることは2つです。
まず、経済的に東京の私立大学に進学する人数が減っている可能性があります。
しかし、これはMARCHゾーンの合格者数が、昨年の34名から61名に倍増していることから、経済的な影響はなさそうです。
そうなると、残りは1つ。
単に実力不足で、早稲田大学に合格できなくなっているのでしょう。
また、慶応義塾大学も2年連続で3名しか合格していません。
これは、指定校推薦合格者しかいないのではないでしょうか。
また、私の時代の話をして恐縮ですが、少なくとも10名以上は一般受験で合格していました。
早稲田大学・慶応義塾大学のレベルが、かなり上がっているのです。
それにもかかわらず、熊本第一高校が、慶応義塾大学に3名合格者を出していることが光ります。
指定校推薦かもしれませんが、熊本第二高校がこのゾーンで0名であることを考えると、一般入試で合格した可能性があります。
これは、上智大学に関しても同じです。
昨年、熊本第ニ高校は0名、熊本第一高校も0名でした。
今年は、熊本第一高校が1名と合格者を出しています。
仮に、一般受験での合格だとすれば、同校の「英語コース」が合格者を輩出していると思います。
これは、熊本第二高校が、理系に力を入れていることと真逆です。
そして、このことは、MARCHゾーンに入ると、顕著に表れてきます。
私立では、真和高校が一歩抜き出ています。
例年、早稲田大学・慶応義塾大学・東京理科大学に一定数合格者がいることから、指定校推薦枠を持っていると考えられます。
次は、「MARCH・関関同立」ゾーンです。
このゾーンまでは、大手会社に就職が可能です。
一番、コストパフォーマンスが良い大学群でしょう。
ワカスクが、一番押している大学群です。
昨年は、関西圏が熱く、関関同立には、熊本高校85名、濟々黌高校44名、熊本第二高校23名、熊本第一高校8名、真和高校35名(既卒生含む)の合格者が出ました。
そして、今年も、熊本高校50名、濟々黌高校53名、熊本第二高校19名、熊本第一高校18名、真和高校26名(現役生のみ)とやはり熱いです!!
特筆すべきは、ここでも熊本第一高校が、一気に10名も増えていることです。
では、関東のMARCHは、どうなのでしょう!!
昨年は、熊本高校34名、濟々黌高校15名、熊本第二高校6名、熊本第一高校4名、真和高校10名(既卒生含む)でした。
今年は同順で、61名、22名、6名、16名、11名(現役生のみ)です。
昨年に比べて、熊本高校を筆頭に、かなりの増加です。
ここでも特筆すべきは、熊本第一高校の躍進です。
合格者数が12名増え、明らかに熊本第二高校を上回っています。
このゾーンの事象を見れば、私立大学の現在の立ち位置、学校の特色を見て取れます。
全部の高校において、私立大学志向が高まってきています。
やはり、共通テストの難化によって、「国立大学離れ」が加速してきたのでしょう。
もっと厳しく言えば、もう熊本県のレベルでは、難関国立大学に合格できない状態なのかもしれません。
そして、色々な情報から、MARCH・関関同立のコスパの良さが、浸透してきていると思います。
また、各高校の特色が、合格者数に反映しています。
熊本高校、熊本第二高校は、「理系重視」で推し進めてきましたが、もはや共通テストでさえ、数学・理科に関しては、高得点が狙えない難しさです。
共通テストで失敗して、志望校をあきらめる方もいたでしょう。
だからと言って、私立大学を受験する生徒は、ほとんどが国立大学のすべり止めとして受けます。
ここでも、レベルの高い争いが繰り広げられます。
逆に、文系科目もしっかりやっている、濟々黌高校・熊本第一高校は、共通テストを捨てて、私立大学を目指す方が増えているのだと感じます。
特に、「英語コース」がある熊本第一高校は、私立大学とは相性が良いです。
理系も文系も、「英語を制する者が、大学受験を制する」です。
ただ、ワカスクは色々な面を考慮して、マリスト学園高校を押していきたいと思ってます。
以下は、公立大学の結果です。
特筆することはないので、見ておいてください。

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