4月に入り、高校生は新入生テスト・実力テストが終わり、中学生は実力テストがあったりなかったりと、慌ただしくなってきました。高校1年生と中学生には、次の試験を目標に先取り学習をして頂いていますので、結果はどうでも良いと言って、実力テストは全く対策なしで受けて頂いております。
そのような中、先日、3月に入塾された小学生と中学生兄弟のお母様から、中学受験のことで相談があるとの電話を頂きました。すぐに塾に来られて、私もご相談の準備をしていました。お母様がおっしゃったのは、「あまりにも先生が個性的なので、雑談をしたくて来ました。」と。
なんでも、生徒さんが通っている中学校が、とんでもないことになっているとのこと。うつ状態の先生が多数、1クラスに不登校の生徒さんが4・5名、生徒さんは兵隊みたいに学校に忠実、等々。私から言わせると、「学級崩壊」レベルでは収まらず、「教育崩壊」ですね。
お母様が保護者を代表して、校長先生に現状を訴えたところ、「教員が足りないんで」との元も子もない返答。さらには、お母様をクレーマー扱いして、怒り出す始末。何と言いますか、本当に教育者か?と疑問に感じずにはいられません。中学生のお子様は、かなり個性的な生徒さんなので、「学校が面白くない」と常々言っているようです。当塾に来られるようになって、塾のことを楽しく話していたようで、お母様は雑談をしたくなったとのことです。
その中で話に上がったのが、今の子供たちは夢もなく、人生を楽しんでいないのではないかということでした。私が考えるに、スマホが典型的ですが、モノが溢れている現代では、生活自体に支障がないので、自分で何かを生み出さなくても良くなったことが一因と思います。私たちの時代には、モノがなかったので、何か楽しいことはないかと新しい遊びを毎日考え、自分たちでルールを作って遊んでいたものです。そのような過程をすっ飛ばしているので、毎日がワクワクドキドキしないのだと思います。
また、子供達と本気で遊んでくれる大人が少なくなってきていることも、一因と考えられます。学校の先生でいいますと、私の時代は文化祭などの催しもので、数名生徒が遅くまで残ると、学校内で肝試しをしたりと、遊んでくれる先生がおりました。今の先生には、色々な雑用・規制があるので、そのような余裕はないと言われるかもしれませんが。私は先生ではないので、毎日生徒とバカなことをして遊んでいます。逆に、「私が遊んでもらってるのではないか?」と感じるほどです。そのような状況を作り出すと、学校でも家でも見せない「生徒の本当の顔」が徐々に出てきます。その顔を見ることが、私はたまらなく好きなんですよね。そして、ご家庭に帰って、「今日はこんなバカなことを黒木はしていたよ」と話して頂くと、家庭での会話も多くなってくるのではないかと考えています。
私とお母様で意見が一致したのは、「勉強よりも、一人でも生きていける力を付けることが大事」ということでした。あっ、これは今話題の東大の教授の祝辞の前ですから、私たちの意見です。平成の「失われた30年」によって、現代は混とんとした世の中になりました。この時代では、仮に会社に就職したとしても、何が起こるか分からないのです。そのような時に、自分の頭で考え、立ち上がれる力が絶対に必要なのです。そのためにも、最低限の勉強は必要となってきます。かなり矛盾していますが。そのような力を付けるためには、ワクワクドキドキして人生を送っていないといざという時に、どのようにしていけば良いかという発想が浮かばないと思います。
私は45歳ですが、毎日ワクワクドキドキして、生活を送っています。今は自宅に帰ると嫁のことしか考えられない(いつまで続くか分かりませんが)ので、すぐに眠りに就けますが、独身の時はこれをしようあれをしようと考えると、興奮して朝まで眠れないことが多々ありました。法務・財務の相談にのれる総合会社を創りたいとか、どこかの中学か高校で陸上の監督をしたい等々。塾に関しても、このようにすればあの生徒さんは、まだまだ伸びるのではないかなど。
このように眠れないことは、中学高校時代からありました。東京大学に入学し、弁護士を一発で合格し、一旦芸能界に入って「ものまね王座決定戦」で優勝して引退しようなど。誇大妄想でもいいんです。生徒さんには、もっとワクワクドキドキして、人生を送って欲しい。そして、楽しんでほしい。ただ、楽しいことが1つ実現するためには、苦しいことを100回乗り越えなければなりませんが。
お母様と40分程話し、現在の中学校の状況等を聞くことができて、大変有意義な時間でした。話の最後に、私が「学校を創りたいですね」とポツリと言ったところ、お母様も「是非、一緒に創りましょう」と言って頂きました。「私の話しに同調して頂くのは初めてですよ」と言うと、お母様も「私も変人ですので」と。私から言わせますと、欅坂46の歌にあるように「周りこそ変人だ」という感じなんですけどね。帰り際には、どちらが校長先生になるのかなど、しょうもない誇大妄想をお母様としていました。そして、米朝首脳会談とは違い、がっちりと握手をして帰られました。クラウドファンディングとかで、何とか実現できないものですかね。
以上、長々と書きましたが、「若葉スクール 社説」は、これにて終わりです。